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高血圧と心拍に関する6つの神話の真実

多くの場合血圧と心拍数は、人の心と密接に関係しています。
これら2つのバイタルサインは、通常病院で同時に測定されます。

これらの測定により心臓の健康状態がわかりますが、各測定で判明する要素は全く異なります。
血圧とは動脈壁に対する血流の強度のことであり、心拍(脈拍と呼ばれることもある)とは毎分心臓が拍動する回数のことです。

以下では循環器専門医のルーク・ラフィン医師が重要な違いについて説明し、一般的な“神話”を訂正しています。


1.    血圧と心拍は必ず関連している

誤り:
血圧と心拍が同時に上昇することが多いことは事実であると、ラフィン医師は言います。
例えば、危機に直面すると、血圧と脈拍はどちらも同時に上昇します。
しかし、心拍が上昇したからといって、血圧も自動的に上昇する、またはその逆が起こるという訳ではありません。

「この2つが連動していない場合、別の問題が生じている可能性があります。」とラフィン医師は言います。
「例えば、水分が不足していると、通常血圧は低下し、心拍は上昇します。」


2.    血圧と心拍はには「正常な」目標値がある

誤り:
ガイドラインはありますが、正常値は人それぞれ異なります。

最適な血圧は通常、収縮期は120mmHg(心臓が拍動する時の圧力)、及び拡張期は80mmHg以上(心臓が弛緩する時の圧力)と定義されています。
安静時の心拍に関しては、1分あたり60~100拍(BPM)が目標となります。

心拍と血圧は人それぞれ異なるということを覚えておきましょう。
医師と協力し、自分にとって正常なベースラインを確立する必要があります。


3.    脈拍や血圧が低いことは常に問題である

誤り:
ある人にとっては健康であることを示していても、別の人にとっては危険を示すこともあります。
例えば、定期的に運動する健康的な人の場合、安静時の心拍は50代、場合によっては40代になることもあります。
「実際これは、非常に健康的であることを示しているのです。」

特に高齢や心疾患を患う患者は、低血圧には少し注意する必要があります。
低血圧によって危険な状態にある場合は、自分の体が教えてくれます。
「自分がどう感じるか次第なのです。」と、ラフィン医師は言います。
「体が弱っているような感覚がしますか?数字だけでは分からないこともあります。数字と症状を合わせて考える必要があります。」


4.    高血圧は心拍数が高い場合よりも危険である

真実:
繰り返しになりますが、正常かどうかの判断は場合によって異なります。
しかしラフィン医師は、血圧が時間の経過とともに自分の平均値よりもわずかにでも高くなった場合、これは心疾患や脳卒中リスク上昇を示す十分な臨床証拠であると述べています。
高血圧による身体の影響は、血管に悪影響を及ぼします。

「本質的に、収縮期血圧が115mmHgを超えて20mmmHg増加する毎に、心臓発作、脳卒中、心不全、慢性腎疾患リスクが倍増します。」と、ラフィン医師は言います。

心拍数の上昇も危険の兆候である可能性がありますが、因果関係はそれほど明確ではありません。
「ベースラインの心拍数が高い人ほど、心臓に問題があり、心疾患による早期死亡が起こる可能性が高いことを、研究で示されています。」とラフィン博士は言います。
「しかし、このことが問題の原因なのか、単に今起きている問題の兆候であるのかは、良く分かっていません。安静時の心拍数が上昇する原因として最も一般的なのは、活動不足による体調不良(言い換えれば、運動不足)です。」


5.    測定するタイミング

真実:
安静時の心拍数と血圧を測定するには、確実な数字が取れる、再現可能な時間を選ぶと良いと、ラフィン医師はアドバイスしています。
理想的には、朝薬を飲む前に測り、夕方夕食をとる時間辺りにも時々測定しましょう。
活動時の血圧と心拍数を測る場合を除いて、運動の直後に測定してはいけません。

測定中は、脚を組まず、静止しましょう。
多くの人は、測定中に脚を組むと収縮期血圧が8~10ポイント増加する可能性があることを知りません。

心拍数と血圧、どちらの測定がより重要なのでしょう?
これも、あなたの健康状態によります。
心房細動を患う患者は、心拍数の監視がより重要となる可能性がありますが、その他多くの心疾患にとっては、血圧がより重要になります。
安全のため、どちらも測定しましょう。

「店頭で購入できる自動キットのほとんどは、1回の測定で血圧と脈拍を測ることができます。」とラフィン医師は言います。

「これは便利です。両方の数値を知っておくと、ライフスタイルや薬の調整方法に関する理解を深めるのに役立ちます。」


6.    心拍数が高いほど、寿命が短くなる

真実:
中国で健康診断を受けに来た人々を調査したとある大規模研究では、安静時の心拍が80~90BPMと高い~正常値であった人は、心拍が60~69BPMの理想的な値であった人よりも寿命が40%短くなりました。

しかし、幸いなことに、1日15~30分間早歩きといった中等度の運動を行うと、増加した死亡率を下げ、短縮された寿命を元に戻すことができると、研究者らは述べています。

この研究では、心臓の健康維持における身体活動の重要な役割が強調されていると、ラフィン医師は言います。

「適度な運動であってもメリットがあります。」と彼は話します。
「ですので、ソファに寝そべったままでいる理由はもうありません。」

出典 2019年5月29日更新 health essentials『Busting 6 Myths About Blood Pressure and Heart Rate』(2020年2月12日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/busting-6-myths-about-blood-pressure-and-heart-rate/