超音波治療がパーキンソン病による震えを緩和する可能性

2019年11月27日（HealthDay News）-　小規模な研究では、超音波がパーキンソン病や「本態性振戦」と呼ばれる別の状態を持つ人々を非常に衰弱させる、不随意の筋肉の動きを持続的に緩和する可能性があることが示されています。

治療法はまだ稀ではありますが、重要かつ持続的な震えを緩和するようだとイタリアの研究者は報告しています。

これは「集束超音波」と呼ばれています。

外科手術として特徴付けられていますが、実際には切開を伴わない非侵襲的処置です。

筋肉の動きが制御できない患者の場合、臨床医はそれを使用して視床と呼ばれる脳内の小さな震えを抑制する中心部に向けて音エネルギーの光束を当てます。光束は視床を加熱しその一部を破壊します。

「神経疾患に対するこの技術の臨床応用は、まったく新しいものです。」

と研究著者であるイタリア・ラクイラ大学の放射線科医であるフェデリコ・ブルーノ博士は声明で述べました。

「これまでのところ、この治療法の選択肢を知っている患者はほとんどおらず、必要な技術を備えた専門センターは多くありません。」

彼は、集束超音波が「振戦抑制治療」として米国食品医薬品局（FDA）の承認を受けてから3年未満であることを指摘しました。

アメリカ・ニューヨーク市のマイケル・J・フォックス財団の医療コミュニケーション担当副社長であるレイチェル・ドルハン博士によると、それ以前は患者は他の介入に頼らざるを得ませんでした。

「運動や薬物療法、脳深部刺激などの外科療法はすべて検討できる可能性があります。」と彼女は述べました。

しかし、運動と薬が常に効果があるとは限りません。

また、脳深部刺激（DBS）は、非侵襲的超音波と同じ脳領域を対象としていますが、非常に侵襲的です。

外科医は、頭蓋骨や胸部を開け、ワイヤー、電極、ペースメーカーのようなパルス発生器具を挿入しなければなりません。

最大限に震えを軽減し、望ましくない副作用を最小限に抑えるために、手術後にデバイスを調整することも難しい場合があります。

加えて、心臓と出血の問題がある患者は、記憶や思考の問題を抱えている患者と同様に治療が不適格である可能性があるとドルハン博士と彼女のチームは述べました。

DBS機器には、定期的なバッテリー交換という形での注意深いメンテナンスも必要となります。

比較すると、不可逆的ではあるものの、集束超音波は

「入院期間がより短く、脆弱な患者にもかなり忍容性の高い手技」とブルーノ博士は言います。

しかし、それは機能するのでしょうか？

ブルーノ博士と彼のチームは、集束超音波治療後わずか1年の患者39人（平均年齢65歳）を追跡しました。

患者の半数以上にあたる21人がパーキンソン病でした。

残りは本態性振戦（ET）という、手、腕、脚、頭、体幹、さらには舌に影響を与える可能性のある一般的なタイプの振戦でした。

平均して患者には10年以上振戦の症状がみられました。

標準治療に反応した人はいませんでした。

全ての人が視床の片側に全身麻酔なしで行われる集中超音波治療を受けました。

（両側で超音波を行うと、発話、嚥下、思考の問題を引き起こす可能性があるため、片側のみでの施術が承認されています。）

その結果、39人の患者のうち37人に、すぐに顕著な振戦の軽減が見られ、その軽減は翌年も続きました。

パーキンソン病患者とET患者の両方で、生活の質が顕著に改善したと報告されました。

ただし、現時点では、集束超音波療法は世界中の限られた専門施設でのみ利用できます。

しかし、ブルーノ博士とドルハン博士の両方がこれが変わるかもしれないと示唆しています。

「他のパーキンソン病の症状に対する非侵襲的手技として、集束超音波をテストする臨床試験がいくつかあります。」

とドルハン博士は述べました。

これらの症状には、運動障害や、振戦、揺れ、身もだえやうごめき、または頭を振るといった制御不能な筋肉の動きがあります。

ブルーノ博士は、他の研究では、神経因性疼痛や、てんかん、強迫性障害、脳腫瘍の治療の可能性を調査していると述べました。

また、神経画像技術技術が向上するにつれて、彼は超音波療法の可能性と可用性が拡大すると予測しています。

ブルーノ博士と彼のチームは、来週の水曜日にシカゴで開催される『北米放射線学会年次総会』で彼らの調査結果を発表する予定です。

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Health Day