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認知行動療法:脳が痛みの管理に役立つ可能性がある

慢性的な痛みは、夜の安らかな睡眠から日常業務の遂行まで、人生のあらゆる側面に影響を与える可能性があります。
慢性的な痛みがある人は、従来の薬物治療やセラピー、鍼治療やマッサージといった補完的な方法まで、痛みを取り除くために様々なことを既に試みているかもしれません。
しかし、どれもうまくいかなかった場合、痛みを完全になくすことはできなくても、痛みの管理に役立つ治療法である認知行動療法については、検討されましたか?

米国では、5人に1人もの人が慢性的な痛みを抱えて生活しています。
しかし、慢性的な痛みを抱えた生活に伴うのは、痛みだけではありません。
米国疾病予防管理センターの2016年の報告では、慢性的な痛みは、鎮痛剤の常用、うつ病、不安と強い関連があることがわかりました。
慢性的な痛みは、人の人生を台無しにする可能性があります。

とある研究者のチームが、心理的治療が慢性疼痛に良い影響を与えるかどうかを調査しました。
研究対象となった患者には、主に背中の痛み、全身性の炎症、またはその他原因不明の痛みがありました。
CBT(認知行動療法)は、痛みの捉え方や考え方を変える上で役立ちます。
治療の目標は、患者が自身の痛みに関する否定的な考えに気づき、その考えを再構築し、行動を起こし、患者がより肯定的な対処戦略を行えるよう促すことです。
これが完了すれば、CBTは患者がより多くの運動をするといった具体的な方法の実行をサポートし、これはは同様に痛みの管理にも役立ちます。

研究者が利用可能な治療法を評価した際、CBTの治療を受けた患者は、他の患者よりも「痛みと苦痛がわずかに少ない」ことがわかりました。
また、CBTを運動または疼痛管理の教育プログラムによる治療と比較した際、CBTの優位性はわずかではあったものの、CBTを受けた患者はやはり痛みが少なくなっていました。

薬物を使用しない以外のCBTにおける利点の1つは、いつでもどこでも実行できることです。
そして、一度テクニックを学び、それを問題なくに使用できるようになれば、必要がない限り、セラピストに会う必要がなくなります。
それは、必要なときにいつでも簡単にアクセスできる、脳のための工具セットを持っているようなものです。

通常は特定の原因がある急性の痛みとは異なり、慢性の痛みは特定できないことが多々あります。
したがって、医師が原因を見つけることができない場合、唯一の治療選択肢として薬物が処方されることがあります。
これらには、筋弛緩薬、抗炎症薬、オピオイドまたは抗うつ薬が含まれます。
また、上記のような薬は多くの患者に効果を発揮しますが、不快感を引き起こすし得る副作用が生じる可能性があります。
CBTには副作用がありません。
研究ではCBTは慢性的な痛みの治療法とはならないことがわかりましたが、痛みを軽減または管理するのに役立てることを試みる価値はあるかもしれません。

出典 2020年9月1日更新 Medical Daily『CBT: Your Brain May Help You Get a Handle on Pain』(2020年9月2日に利用)
https://www.medicaldaily.com/cognitive-behavior-therapy-may-help-manage-chronic-pain-455683