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JapanRx / 自閉症遺伝子が脳細胞のコミュニケーションを遅らせる

自閉症遺伝子が脳細胞のコミュニケーションを遅らせる

マックマスター大学の幹細胞癌研究所の科学者たちは、発達中に他の脳細胞とシナプスと呼ばれる成熟した接続を形成するように脳細胞に指示するDIXDC1タンパク質の重要な「オン」ボタンを発見しました。

科学雑誌Cell Reportsに掲載されたこの発見は、ASD患者の新しい薬物の同定を導く、ASDの新しい洞察を提示しています。

ASDは68人に1人が疾患しているといわれています。
この複雑な障害の中核症状を標的とする薬はないため、これは重大な発見といえます。

この研究は、幹細胞癌研究所(SCCRI)の科学者であり、マックマスター大学の幹細胞および生化学と生物医学の助教授であるカルン  シン博士によって率いられました。

研究者は、発達中に他の脳細胞とのシナプスと呼ばれる成熟した接続を形成するように脳細胞に指示するDIXDC1タンパク質の重要な「オン」ボタンを発見しました。
チームは子供病院トロント大学遺伝学の第一人者のスティーブン・シェラー博士と協力し、DIXDC1を自閉症者のグループで「オフ」に保ち、脳のシナプスを未成熟のままにして、脳を減少させる研究を行いました。

「自閉症ではDIXDC1が止まってしまっている理由がわかったので、創薬専門のSCCRIの研究室では、DIXDC1を元に戻して、正しいシナプス結合を起こす薬の開発を開始する機会となりました。」
シン博士はこのような薬は自閉症の新たな治療法となる可能性があると述べています。

この発見は有望ではありますが、DIXDC1の突然変異は、自閉症とそれに関連する精神医学的状態を抱える少数の人にしか説明できないとシン博士は述べました。

しかし、他の多くの自閉症遺伝子がDIXDC1に類似したシナプスの発達を妨害するという強力な証拠があるため、自閉症の新たな治療の鍵は、脳細胞シナプスの成長と活性を回復させる安全な薬物療法を見つけることです。

SCCRIのディレクターであるミック・バティア氏は、この発見は、研究所が戦略的に神経疾患や遺伝子誘導個人向け医薬品開発分野に参入することを意味すると語りました。

「これは、SCCRIが幹細胞研究を通じて、ヒトの健康に短期間の影響を及ぼすために引き続き努力する過程においての第一歩となります。」
とし、また、彼は、神経幹細胞研究所のデビットブラ―リー所長の支援により、シン博士のチームでの追加研究が可能になったと付け加えました。


(記事元)http://medicalxpress.com/news/2016-11-scientists-autism-gene-brain-cell.html