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腫瘍の凍結が低リスク乳癌の新しい治療法になる可能性

2021年5月4日( ヘルスディニュース) - この種では最初となるこの研究は、成長の遅い乳がんを高度に標的とした腫瘍凍結技術で治療できることを示しており、体を傷つける手術の必要性を取り除くものです。

これまでの試験で、この技術は比較的リスクの低い乳がんと診断された60歳以上の女性に有効であることが示されています。

テネシー州ジャーマンタウンにあるWest Cancer Center&Research Instituteの乳腺外科医であり、この研究の著者であるリチャード・ファイン博士は、次のように述べています。

「冷凍切除は、手術を必要とせずに、乳房腫瘍を安全に、かつ迅速に、無痛で破壊する侵襲性の低い方法です。」

「この手順では、病変組織を極寒にさらして低温化させ、破壊(切除)します。」

と彼は付け加えました。

「それは患者が目を覚ましている間に診療室内で行われます。」

200人近くの女性を対象とした新しい研究では、悪性度が低く、低リスクの乳がんの女性に冷凍切除を行った場合、ほぼすべての患者が3年間は、癌がない状態を維持していることがわかりました。

「この治療法は、骨、腎臓、前立腺、その他の癌の治療のためにすでに十分に確立されています。」とファイン博士は述べています。

この研究の患者の平均年齢は75歳で、全員が「浸潤性乳管癌」という乳がんと診断されました。

その腫瘍は比較的小さく、サイズは1.5センチメートル以下でした。

すべての患者の腫瘍は「ホルモン受容体陽性」でした。これは、ER +、PR +、および、またはHER2-の腫瘍を意味します。

「一般に、『ER +』 および、または『PR +』である腫瘍は、成長がわずかに遅く、ホルモン受容体陰性である腫瘍よりもわずかに予後が良好です。」

とファイン博士は述べています。

 

研究に参加したすべての患者は、局所麻酔下で、皮膚から腫瘍部位に探り針を直接挿入する冷凍切除を受けました。

次に、液体窒素を適用して、標的となる腫瘍を裏返しに凍結させました。

治療は20分から40分続き、最終的に腫瘍は氷の塊に変わりました。

研究者らは、この手順によりフォローアップ手術の必要性がなくなったと報告していますが、これらの女性の約15%は、また、放射線療を受け、約3/4はさらに内分泌療法で治療が行われていました。また、一人の患者は化学療法を受けていました。

患者には、治療後5年まで、年に2回検診が行われました。

その結果、治療を受けた約3年後の平均追跡時点では、わずか2%(4人の患者)に癌の再発が確認されました。

重篤な副作用は報告されておらず、ほぼすべての患者と主治医(それぞれ95%と98%)が治療に満足していると報告しました。

「良性腫瘍と癌性腫瘍の両方について、従来の手術に勝る利点では、診療室での手技であることがあります。これは、より早く、ほぼ即時に回復があり、手術痕も改善され、手間や費用も低いのです。」

とファイン博士は述べています。

 

従来の乳腺腫瘤摘出術や乳房切除術とは異なり、冷凍切除は乳房の形を維持し、感染リスクを最小限に抑えると彼は付け加えました。

そして、この手順は通常、見た目に傷跡が残らず、患者がすぐに通常の生活に戻れるような状態になります。

ファイン博士は、欧州連合が2010年に乳がんの冷凍切除を承認し、その手順がオーストラリア、南アフリカ、タイ、シンガポール、香港での使用も同様に承認されたことを指摘しました。

「米国では、この治療は実験的に使用されています。」

と、バージニア州フェアファックスにあるイノバフェアファックス病院のイノバシャーがん研究所(the Inova Schar Cancer Institute)の乳がん研究者である、ショーナ・ウィリー博士は説明しました。

「同様の成功が続いた場合は、データがFDA (米国食品医薬品局)に情報が提出され、研究された腫瘍および患者パラメーターの乳がん治療における特定の冷凍切除装置の使用に関して、初めての承認が得られます。」

とウィリー博士は述べています。

研究チームには関与していませんでしたが、彼女は、ファイン博士による試験は、この種の試験としては最大であり、より幅広い患者集団で研究される予定であることもあり、低リスクの乳がんを患う高齢女性の治療選択肢として冷凍切除がはるかに広く利用できるようになる可能性

それでも、ウィリー博士は、冷凍切除は慎重に選択された乳がん患者グループの間でのみ試験がされていると警告しました。

そのため、その有効性は「長期追跡調査による広範なデータ、またはすべての年齢層の女性にわたる広範囲な腫瘍タイプに関するデータによって裏付けされてはいないことを強調しています。

ファイン博士と彼の同僚は、今週行われた米国乳房外科学会のオンライン会議で彼らの発見を発表しました。

 

 

【以下のリンクより引用】

Freezing Tumors Could Be New Treatment for Low-Risk Breast Cancers

Healthday