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JapanRx / 脳スキャンはうつ病の身体的徴候を示す

脳スキャンはうつ病の身体的徴候を示す

中国の成都にある四川大学による新しい研究では、うつ病や社会不安を持つ人の脳に共通の構造異常パターンがあることがわかりました。

大うつ病性障害(または単にうつ病、MDD)や社会不安障害(他人に見られ判断されることへの強い恐怖、SAD)はいくつかの臨床症状を共有しており、これら2つの障害が類似した脳メカニズムを持つことを示唆しています。
しかしながら、これらの障害の脳に対する構造的影響を直接比較した研究はほとんどありません。

研究者らは、MDD患者とSAD患者の脳の灰白質の変化を調査するためにMRIを使用しました。
彼らは大脳の外側の層、または脳の主要部分である皮質の厚さに焦点を当てました。

研究者らは、37人のMDD患者、24人のSAD患者および41人の健常対照者の高解像度画像を分析しました。
健常者と比較して、MDD患者とSAD患者はどちらも脳のセイリエンスや背側注意ネットワークに灰白質異常を示しました。
セイリエンスネットワークは、どの刺激が我々の注意に値するかを決定する脳領域の集まりであり、一方背側注意ネットワークは集中力や注意力において重要な役割を果たします。

この研究の筆頭著者であるユジン・ツァオ博士は、次のように述べています。
「私たちの調査結果は、MDDおよびSAD患者における一般的かつ特異的な灰白質変化についての予備的証拠を示しています。より多くの被験者と機械学習分析を組み合わせた研究を行うことで、 脳構造MRIの診断値や予後値の助けになる可能性があります。」

MDD患者とSAD患者、健常対照者の差異は、皮質の肥厚または薄層化のいずれかに関連していました。
MDD患者およびSAD患者の両方が、知覚および自己認識にとって不可欠な脳の領域である島皮質における皮質肥厚を示しました。

ツァオ博士は、次のように述べています。
「まず、皮質肥厚の度合が大きいほど、炎症や他の病態生理に関連する代償機構を反映する可能性があります。次に、前帯状皮質の皮質肥厚の度合が大きいことは、MDD患者およびSAD患者による対処努力や感情調整の試みの結果である可能性があります。」

出典:2017年11月22日更新『Brain scans show physical signs of depression』Health Spectator UK(2019年4月22日に利用)
https://health.spectator.co.uk/brain-scans-show-physical-signs-of-depression/