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胸やけが夜に悪化するように見える理由

胸やけは、辛いものを食べた後に起こります。
タイトなズボンをはいたり、ベルトをきつく締めているときに起こることもあります。
胸やけの症状がある人は、胸元のやけるような不快感について良くご存じでしょう。
しかし、眠りにつこうとする時に、胸やけが悪化するように見えることが頻繁に起こるのは何故だろうと、疑問に感じているかもしれません。
夜に悪化しがちなのは、何故でしょうか?


これは、自然の重力が元凶です。
横になっている時は、思い通りにいきません。
座ったり立ったりすると、重力によって食物が食道から胃へと移動し、消化が起こります。

「横になると、食道から食物や胆汁、酸を取り除く重力の働きを失います。」と、消化器専門医のスコット・ガバード医師は言います。
「これにより胸やけが起こる可能性があります。」

胸やけの症状は個々人で多少異なりますが、ほとんどの人は日中と夜に胸やけの症状を起こします。
しかし、多くの人は、夜間のコントロールが難しいと感じています。


<焼けるような感覚の原因とは?>

物を食べると、食べ物が喉を通り、食道を通って胃に達します。
この際、筋肉(下部食道括約筋)が、食道と胃の間の開口部を制御します。
食べ物を飲み込むとき以外は、しっかりと閉じたままです。

食物が通過した後、この筋肉が閉まらないと、胃の酸性の内容物が食道に戻ることがあります。
医師はこの現象を逆流と呼びます。
胃酸が食道の下部に当たると、灼熱感が生じます。
これは、私たちが胸やけ、正式には胃食道逆流症(GERD)と呼ぶものです。

「成人の約10人に1人が、少なくとも週に1回胸やけを発症しており、3人に1人が毎月胸やけを発症しています。」と、ガバード医師は言います。
「成人の約10〜20%に慢性的な胸やけがあります。」


<夜間の胸やけを軽減するためのヒント>

ガバード医師は、胸やけを軽減するための対策として、以下を推奨しています。

・減量する
ボディマス指数(BMI)では、体重と身長が考慮されます。
太りすぎの人(25以上のBMI)は胸やけのリスクが高くなります。

・禁煙する
禁煙は、胸やけを軽減するためにできる最も重要なことの1つです。
ある研究によると、141人の患者が禁煙すると、GERDが44%改善したといいます。
しかし、禁煙をしなかった50人は、GERDが18.2%改善しただけでした。
タバコをやめると、胸やけを軽減するだけでなく、その他の健康効果があります。

・特に一日の後半に食べる量を減らし、脂っこい食べ物の割合を減らす
慢性的な胸やけのある人には、500カロリー未満かつ、脂質20グラム以下の食事が理想的です。

・食べてから寝るまで少なくとも3時間待つ
お腹が完全に空になるまでには4〜5時間かかるため、少なくとも3時間は待ってください。

・酸を減らす薬を試す
GERD治療薬として最も一般的に処方される薬物は、プロトンポンプ阻害剤です。
一般的に安全であると考えられていますが、これらの薬物を長期間使用している患者は、潜在的なリスクについて医師と話し合う必要があります。

・アルギン酸製剤を試す
必要に応じて服用する薬が必要な場合は、アルギン酸塩を含む製剤を試してみてください。
アルギン酸塩は、胃の中にある酸のポケット上にラフトを形成することが示されています。
必要に応じて服用すると効果的な薬剤であることが示されています。

・食品過敏症に注意する
トマト、レモン、乳製品の他、アルコールなどの消化障害を引き起こす可能性のある食品は避けてください。

・夜は抱き枕を使用する
ガバード医師は、頭を上げた状態で左側を向いて寝る姿勢を維持するために、抱き枕、または睡眠ポジショニング装置の使用を推奨しています。
左向きでに横たわると、酸性の内容物が下部食道括約筋を通過して胃に流れ込みます。
さらに、頭を上げると重力が働きます。

出典 2020年9月9日更新 Health essentials『Why Does Your Heartburn Always Seem Worse at Night?』 (2020年9月10日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/why-does-your-heartburn-always-seem-worse-at-night/