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耳鳴りは自殺未遂に関連している

新しい研究では、目に見える音源がない状態でキーン、ジー、シューという感覚の耳鳴りが止まらないことは、自殺思考につながる可能性があることがわかりました。
耳鳴と呼ばれるこの騒音障害は、
独立した疾患ではなく、難聴や認知症、循環器疾患といったその他疾患の症状として現れます。

聴覚障害は内耳の一部である渦巻管がコンサート中の大きな音や爆風、建築工事の騒音などに曝されることで起こります。
音が直ぐに消えない場合、医者で耳鳴りの治療を受ける必要があります。
デシベルの範囲は低温からソフトな轟音、甲高い高音まで様々です。

医者が診断する耳鳴りのタイプによって、ハミング音やクリック音、轟音が片耳または両耳で、断続的にもしくは1日中聞こえることがあります。

主観的な耳鳴り(Subjective tinnitus)は聴神経とその経路の損傷によって起こり、患者のみに聞こえます。
客観的耳鳴り(Objective tinnitus)は筋肉の収縮や耳の中の血管障害によって起こり、診察中医者にも聞こえる稀な状態です。

うつ病は、耳の中で聞こえる騒音により人間関係を維持できなくなったり、周囲への注意が散漫になることで日常生活に影響するために起こります。
2017年に国際耳鳴ジャーナル(International Tinnitus Journal)で発表された研究では、医学文献を掲載する無料検索エンジンやデータベースであるPubMedやOvid、Cochraneにある15件の研究が調査され、結果うつ病は耳鳴りのある患者の33%に、不安障害は45%に影響することがわかりました。


- 新しい研究では自殺と耳鳴が関連づけられる
5月2日に米国医師会雑誌(JAMA)で発表された研究は一歩前進し、耳鳴りと自殺傾向の関連性を確立しました。
ストックホルム公衆衛生コホート研究(SPHC)のスウェーデンの母集団から選ばれた71,542人の患者を対象にした研究では、男性よりも女性において、深刻な耳鳴りは自殺未遂の要因となることがわかりました。

深刻な耳鳴を抱える被験者の内自殺を試みたのは女性では9%、男性では5.5%となりました。
性別の違いは別としても、深刻な耳鳴を抱える患者だけでなく、ただ耳鳴が存在することだけでも自殺未遂と関連していました。
耳鳴りと自殺念慮の関係について結論を下すため、このデータと耳鳴関連症状が無い被験者との比較を行いました。

研究者らは、自殺を試みることが必ずしも人生を終わらせることにはならないと述べました。
明るい側面として、このデータは、医療介入によって患者の生活の質が向上したため、耳鳴の治療を受けることで自殺企図のリスクが現象することを示しています。
研究者らは、特に自殺念慮に関して、慢性疼痛と耳鳴は神経系への影響において類似していることを指摘しました。

この研究の限界は、臨床医の診断を受けたのは被験者の5分の1のみであるということです。
耳鳴の診断を受けた男女を差別化する病態生理学的要因の性別による影響を明確に推測するためには、さらなる研究を実施する必要があります。

出典:2019年5月9日更新 Medical Daily 『What’s Tinnitus? Ear Condition Shockingly Linked To Suicide Attempts』(2019年5月15日に利用)
https://www.medicaldaily.com/tinnitus-ear-condition-shockingly-linked-suicide-attempts-434359