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JapanRx / 痛みを伴い失明を引き起こす動物の緑内障治療

痛みを伴い失明を引き起こす動物の緑内障治療

イスラエルのヘブライ大学にて獣医眼科学の教授をつとめるRon Ofriが、動物の緑内障の原因や臨床的意義、診断方法や治療の目的、外科的治療の適応について説明していきます。

緑内障は、眼内圧(IOP)の上昇を特徴とする疾患です。これは眼の房水流出の減少によって引き起こされ、遺伝性もしくは他の眼球内疾患の続発症である可能性があります。
臨床徴候には、慢性または急性疼痛、牛眼、強膜上鬱血(充血)、角膜浮腫および線状角膜症があります。瞳孔が鈍くなったり、固定されたり、膨張することがあります。
網膜が損傷すると、進行性の視力低下が起こり、失明につながります。
疾患の最終段階では、眼内圧の慢性的な上昇により毛様体が萎縮することがあり、これにより房水生成の減少、眼圧の低下および眼球癆を引き起こす可能性があります。

緑内障で失った視力を回復することは不可能です。
緑内障治療の目的は、今以上の視力低下を防ぎ、痛みを軽減することにあります。
原発性緑内障は、生涯にわたる治療が必要です。
飼い主は、治療の目的が眼内圧を安定させることにあり、疾患を完治することはできないということを理解する必要があります。
眼内圧は、房水流出を増加させる薬(例:ラタノプロスト)または房水生産を減らす薬(例:ドルゾラミド)を使用して、外科手術または薬物により下げることができます。
しかし、長期的な眼圧管理の予後は良好とはいえず、失明し、痛みを伴う眼球の摘出手術が獣医師により施されることも多くあります。

出典:2019年3月20日更新『Glaucoma: treatment of a leading and painful cause of blindness』 Vet Times(2019年4月24日に利用)
https://www.vettimes.co.uk/article/glaucoma-treatment-of-a-leading-and-painful-cause-of-blindness/