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生活習慣を適切に変化させると、今後のアルツハイマーリスクを変更できるかもしれない

認知症を患いながら生活するアメリカ人はたくさんいるとはいえ、認知症が老化において避けられない訳ではありません。
アルツハイマー病(AD)は認知症の最も一般的な原因であり、米国だけで550万人以上の成人が発症しています。
世界保健機関(WHO)は、世界中で約5,000万人のAD患者がいると推定しており、その数は毎年1,000万人ずつ増加しています。
患者数は、世界の人口が高齢化するにつれて増加し続けるでしょう。
患者数の増加に対処するために何かしらの行動を取る必要がありますが、一体何ができるのでしょうか?


<アルツハイマー病とは?>

医学的および科学的に、ADとは、記憶力や思考能力を徐々に破壊する、不可逆的および進行性の脳障害です。
NIHによると、最終的に、患者は最も単純な作業をも実行できなります。
現実には、愛する人を連れ去り、あなたを置き去りにしてしまうような病気です。
愛する人の状態が時間の経過とともに悪化するのを目の当たりにすることで、家族を感情的および経済的に引き裂く可能性があります。

ADの治療法はまだありません。
ガランタミンやメマンチンといった一部の薬物療法は、食品医薬品局(FDA)により、初期段階におけるAD症状の管理をサポートできることが承認されていますが、疾患の進行を遅らせたり、治癒させることはありません。
AD患者は、公式に診断を受けてから平均3~10年生きることができますが、体の機能は、トイレや食事といった最も基本的な作業を実行できないほどに低下します。

治療法がないので、研究者は病気の発症を防ぐ、もしくは発症をできるだけ遅らせる方法を見つけるために努力しています。
Journal of Neurology、Neurosurgery&Psychiatryで先月発表された研究によって、平均的な人がADリスクを最小限に抑えるために実践できる生活習慣の変化について、理解を深められるかもしれません。
研究者たちは、変更可能な要素や実際に私たちができる介入方法について検討した、数百の研究を評価しました。
彼らは134個の危険因子を調査し、ADと強い関連がある可能性のある43個の危険因子を発見しました。
彼らは、これらの危険因子の内、上位10のリスク要因を以下に絞り込みました。

  • 低学歴
  • 現状、認知的(メンタルの)困難および活動が少ない
  • 人生の後半において肥満度指数が高い
  • 高ホモシステイン血症(アミノ酸が体内で分解される方法に影響する疾患)
  • うつ病
  • ストレスレベルが高い
  • 糖尿病
  • 頭部外傷
  • 中年期の高血圧
  • 起立性低血圧(座位または横臥位から起きた直後に血圧が低下する)

他の要因はそれほど強力ではありませんでしたが、それでもADの発症に関与している可能性があります。
これには、喫煙や運動不足、睡眠不足、心臓病などが含まれます。


<新しい血液検査によってADを早期に特定できる可能性がある>

現在、死後、剖検で脳が調べるまで、確実にADを発症しているかどうかはわかりません。
生きている間のAD診断は、その他すべての原因を除外することに基づいていますが、研究者は、ADを発症している、もしくはADを発症する可能性があるかどうかを判断できる検査の開発に取り組んでいます。

今年オンラインで行われたアルツハイマー協会国際会議(AAIC)に参加した医師は、良好な結果が得られた新しい血液検査について学びました。
研究者らは、ADのタンパク質およびマーカーであるp-tau217のレベルを測定する「非常に正確な」血液検査を開発したと述べました。
さらなる研究が必要ですが、初期の結果は良好です。

 「p-tau217レベルはアルツハイマー病患者において、約7倍に増加しました。そしてアルツハイマー病を引き起こす遺伝子を持つ個人において、このレベルは認知障害発症の20年前に、すでに増加し始めました。」と、発表者は述べています。
この検査にはまだ検証および確認が必要ですが、研究者はこれにより診断が早まり、新しい臨床試験が実施されることで、新しい治療法が発見できる可能性があると信じています。


<一般的な人にとって、上記の意味とは?>

病気や怪我を防ぐためにどんなに努力しても、予防が保証されるわけではありません。
シートベルトを着用していても、自動車事故で怪我をする可能性はあります。
しかし、生存率、シートベルトを使用した場合のほうが、使用しなかった場合よりも優れています。
ADのような病気を予防しようとする場合にも、同じことが言えます。
特にADの家族歴がある場合は、健康的な生活を送り、ライフスタイルを人生の早い段階で変えることで、リスクを減らすことができます。
しかし、より具体的にと言うと、ADの危険因子は、その他疾患や健康障害の危険因子でもあります。
運動し、ストレスレベルと血圧を管理し、糖尿病を治療し、喫煙しないことで、たとえば、心臓病や脳卒中のリスクを低下させることができます。

実践可能なライフスタイルの改善について、かかりつけの医師に相談してください。
少しずつゆっくりと変更することで、成功率が高まります。
あまりに強力に、突然の変更を加えると、途中で諦めてしまうことになりえます。
食事療法を改善するための栄養士、運動を始めるための運動療法士、または健康管理のためのカウンセラーへの相談について保険が下りるかどうかは、保険会社に確認してみましょう。

出典 2020年8月3日更新 Medical Daily 『Making Smart Lifestyle Changes Now Could Alter AD's Risk Later』(2020年8月12日に利用)
https://www.medicaldaily.com/alzheimers-disease-dementia-alzheimers-risk-factors-cognitive-decline-b..