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新しいスマートフォンテストでは、尿路感染症を30分以内に検出できる

MedicineNetの著者、ジェリー・R・バレンタイン氏によると、尿路感染症(UTI)は一般的な疾患であり、米国では毎年この疾患により1000万回もの診察や通院が発生しているといいます。
現在バース大学の科学者らによって、スマートフォンカメラを使って30分以内にUTIを迅速に診断することを可能にするテストが開発されました。

従来の迅速診断検査ストリップでは、尿サンプル内に細菌が存在するかどうかを素早く判断することができますが、このストリップでは感染を引き起こしている細菌の種類を特定することはできません。
検査室から尿検査結果が送られ、UTIを引き起こす微生物が特定されるまでには、最大数日かかることがあります。

細菌が適切に特定されるまで数日間の待ち時間があることで抗生物質の過剰処方につながり、これにより抗生物質耐性の発症リスクが高まります。

「合併症のない感染の原因の少なくとも90%は、大腸菌と呼ばれる細菌の一種です。」と、バレンタイン博士は述べています。
ただし、その他の微生物がUTIを引き起こす場合もあります。

イギリスの研究者が開発したスマートフォンを使ったテストは、サンプル中の細菌を迅速に特定および定量します。
この技術はいずれ、抗生物質耐性菌に対抗する上で役立つ可能性があります。

Biosensors and Bioelectronicsジャーナルに掲載されたこの研究によると、同テストでは、尿サンプルを突起部に大腸菌を認識する抗体が含まれたプラスチックのマイクロキャピラリーストリップに乗せる方法と取ると言います。

研究著者のヌロ・M・レイス氏によると、研究者は、UTIを引き起こすその他の微生物も特定できるテストをさらに開発しようと試みているといいます。
テストの使用が認可されるには、さらなる研究と臨床試験が必要です。

このテストは安価かつ簡単であり、電力供給を必要としないため、スマートフォンの力を借りたUTI診断が可能になると、特に発展途上国において有益となる可能性があります。
またこの検査では、広く使用されている化学物質(試薬)を使用します。
研究によると、スマートフォンによる検査ができるようになれば、人間の検査員が必要なくなる可能性があるといいます。

バレンタイン博士は、合併症の無い膀胱感染症や腎臓感染症を患う人は、通常抗生物質治療を受けることで、完全に治癒すると述べています。
尿路感染症は直ちに治療しないと、より深刻な合併症が起こる恐れがあると、バレンタイン博士は言います。
UTIが疑われる人は、直ちに医師の診察を受け、適切な診断と治療を受ける必要があります。

出典 2020年1月14日更新 MedicineNet『New Smartphone Test Detects UTIs in Less Than 30 Minutes』(2020年1月20日に利用)
https://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=227375