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JapanRx / 心臓病に関連した高コレステロールと卵の摂取について

心臓病に関連した高コレステロールと卵の摂取について

最近の研究では、卵や食物コレステロールの摂取量が多いほど、心血管疾患や早死のリスクが高いとされています。
この発見は、卵と心臓の健康に関する議論を再燃させる可能性があります。
例えば、この新しい研究では、健康的な食事に関する公式の助言から、食事で摂取するコレステロールと卵の1日の摂取量の制限を省略するという米国の決定と矛盾するようです。
イリノイ州シカゴのノースウェスタン大学ファインバーグ医学校および他の機関の研究者らは、合計29,615人を対象とした米国の6つのコホート研究からのデータをプールし分析しました。

このうち、45%が男性であり31%が黒人でした。 彼らは、参加者の平均年齢が52歳であったベースライン時の摂食パターンを、追跡期間中に発生した心血管疾患および死亡について最大31年間追跡し、中間点を17年として比較しました。
この調査結果はJAMAの論文で説明されています。
ノースウェスタン大学の予防医学の准教授であり、共同研究の著者であるノリーナB.アレン博士は、研究の重要な点は実際にはコレステロールそのものについてであり、それはたまたま卵、特に卵黄に多いということです。」 「コレステロールの消費量が少ない人は心臓病のリスクが低いのです。」と彼女は付け加えました。

ガイドラインはコレステロールや卵を制限せず
疾病管理予防センター(CDC)によると、心臓病は米国においての「死因の第一位」です。 何十年もの間、卵や食物コレステロールの消費が心臓病や早期死のリスクを高めるかどうかについての議論がありました。
2015年以前に米国で公式に推奨されていたのは、1日の卵の消費量を300mg以下に制限することです。
しかし、最近の『アメリカ人向けの食事ガイドライン2015年 ~  2020年』では、コレステロールと卵の摂取量に制限が設けられなくなりました。それには健康的な食事の一部として卵の毎週の摂取量が含まれています。
「適切な証拠としては、「食事ガイドラインにとりわけ食事でのコレステロール摂取量制限はないということです。」と彼らは主張しています。
しかしながら、改訂されたガイドラインでは、特定の制限を撤回するという選択は「健康的な食事パターンを構築する際に食物コレステロールがもはや考慮すべき重要点ではないことは示唆されていない。」というメッセージを残しています。  
乳製品、卵、貝、鳥肉を含めた肉類などの動物由来の食品だけが、食事性コレステロールを含んでいます。
米国の食生活の最も一般的な食品のうち、卵は最もコレステロールを多く含んでいます。
大きな卵の卵黄にはコレステロールが約186 mg含まれています。 平均的な米国の成人は、1日あたり約300mgの食物コレステロール、および1週間あたりでは約3個または4個の卵を消費しています。  

心臓病や死亡のリスクが高い
アレン博士は、卵の消費と心血管疾患のリスクの高さとの間に関連性がないことを見出した研究の問題は、さほど多様でないサンプルと追跡調査がより短いものであったこと、そして、食事療法に他の食材を調整しなかったことです。
「私たちの研究では、2人がまったく同じ食事を摂っていて、食事の違いが卵だけだったら、卵の摂取が心臓病に及ぼす影響を直接測定できることを示しました。」と彼女は言います。
新しい試験での食事データは、アンケートの完了または1回の訪問中に行われたインタビューのいずれかから採用されました。
これらでは、各人が前年または前月に食べたものの詳細が示されています。 追跡調査期間中に、約5,400件の心血管イベントおよびすべての原因による6,132件の死亡例が発生しました。
心血管イベントの例には、心臓病、脳卒中、および心不全の診断が含まれます。
科学者たちは、1日当たり300mgの食物コレステロールを1回追加摂取すると、心血管疾患のリスクが17%高く、あらゆる原因による死亡のリスクが18%高くなることを発見しました。
研究チームはこれらの結果による「絶対リスク差」も計算しました。
これらはそれぞれ3.24%と4.43%でした。 言い換えれば、彼らの研究の参加者1,000人ごとに、32症例、心血管疾患と新たに追加診断され、
1日に消費されるコレステロールが300mg余分である場合には、4件の死亡例がありました。
この分析はまた、1日に食べられるそれぞれの半卵の追加量に対して、心血管疾患のリスクが6%高く、全死因の死亡リスクが8%高いことを示しました。
人々の食事の全体的な質、彼らが食べた脂肪の種類と量、そして彼らが行った運動の量はこれらの関係に影響を及ぼさないように思われます。
「これらの結果は、食事に関するガイドラインおよびその最新版の制作時において考慮されるべきです。」と、研究著者らは説明します。

食事パターンそのもののスナップショット
この研究の長所として、米国からの多数多様なサンプルが使用され、追跡調査期間が長いという事実があります。
しかし、注目に値する1つの制限は、卵とコレステロールの消費量の単一のスナップショットしか使わなかったということです。そしてそれはフォローアップの初期にありました。
人々は食習慣を変えることができますし、17年〜31年という長期間ではそうする機会がたくさんあります。
調査結果のコメントとして、イギリスのロンドンのキングスカレッジロンドンでの栄養学の教授であるトム・サンダース博士は、この研究は前向き研究であるため、関連性について提案するだけで原因と結果を確立することはできないと指摘しています。
「しかし」と、彼は付け加えます。
「付随する論説によって支持された重要な点は肉と卵をたくさん含む典型的な米国の食事療法が、心血管の健康状態の悪さと関連しているという見解を支持するでしょう。
国の『食事ガイドライン』はコレステロール摂取量が1日あたり300 mgを超えてはならないという、その勧告を復活させるべきです。」  
「健康的な食事の一部として、人々はコレステロールの消費をできるだけ抑える必要があります。」
ノリーナB.アレン博士  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.medicalnewstoday.com/articles/324737.php