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心臓の健康をココナッツオイルに頼ってはいけない

消費者が不飽和脂肪の少ない健康的な植物性食品を求めていることで、ココナッツオイルはますます人気を増しています。
しかし、ココナッツオイルの実際の健康効果を調べたとある研究レビューの結果を考慮すると、ココナッツオイルは今のところ、台所棚の容器の中に置いたままにしておいたほうが良いかもしれません。
研究者らは、実際ココナッツオイルを消費すると、その他非熱帯の植物油よりもはるかに、「悪玉」コレステロールを増加させる可能性があることを発見しました。


<「善玉」vs「悪玉」コレステロール>

すべてのコレステロールが悪いわけではありません。
私たちの体が必須ホルモンやビタミンD、その他物質を生成するためには、いくらかのコレステロールが必要です。
私たちがよく耳にする「悪玉」コレステロールは、低密度リポタンパク質またはLDLと呼ばれます。
「善玉」コレステロールは、高密度リポタンパク質またはHDLです。
LDLは動脈にプラーク蓄積を引き起こし、血液がスムーズに流れにくくすることがあります。
また、プラークは、分解されて心臓や脳に運ばれ、心臓発作や脳卒中の原因となることがあります。
一方HDLは、一部のLDLを除去することで血液を浄化します。
糖尿病や肥満、不健康な食生活、座りがちな生活習慣、飲酒、喫煙など、LDLを増加させる要因はたくさんあります。


<研究が調査したもの>

アメリカ心臓協会(AHA)の循環器ジャーナルにて発表されたこの研究は、シンガポールの国立大学公衆衛生学部の研究者が主導しました。
彼らはオンラインの医療データベースにある、ココナッツオイルとその他心臓の健康に良い油の影響を比較した16件の研究を評価しました。
AHAによれば、あらゆるオイルの中でもオリーブオイルやキャノーラオイル、アーモンドオイルなどは、飽和死亡が少なく、心臓に良い一価不飽和脂肪と多価不飽和脂肪を含んでいるといいます。

レビューの結論で研究者たちは、ココナッツオイルを消費すると、非熱帯の植物油よりも、LDLコレステロール値が10.47mg/dL増加したことを発見したと記述しています。
ココナッツオイルは、善玉コレステロールには良い影響(4.00 mg / dLの増加)を及ぼしたものの、悪影響の方がはるかに勝っていました。

CDCによれば、太りすぎまたは肥満であることは、毎年647,000人のアメリカ人の死亡要因である心臓病の、主要なリスクであるといいます。
また、ココナッツオイルには飽和脂肪が多く含まれるため、研究者らはココナッツオイルが体重増加に与える影響についても知りたいと考えていました。
しかし、肥満や炎症、空腹時血糖値(数時間絶食した後の血糖値)は、ココナッツオイルの影響を受けず、LDLのみが明らかに増加していました。


<オイルは種類問わず注意して使用すべき>

メイヨークリニックは、ココナッツオイルが心臓に良いという概念を神話と呼んでいます。
キャノーラやオリーブオイルなどのその他植物油は長期にわたる研究で調査がされており、研究者はこれらのオイルは安全に摂取できると考えています。
ただし、適切なオイルを、適切な目的で使用する必要があります。
一部のオイルは高温では使用できません。

適切な調理油は、煙点と呼ばれる燃焼可能な最高温度によって決定されます。
煙点は、オイルが高沸点で有毒になるタイミングです。
たとえば、アーモンド、アボカド、ヘーゼルナッツオイルの煙点は高くなります。
煙点が高いオイルが必要な場合は、この種のオイルを選択してください。
クリーブランドクリニックによると、コーン、ヘンプ、パンプキンシードオイルの煙点は中程度であるといいます。

さらに、AHAは、LDLを増加させることが知られている部分水素添加油脂(PHO)や、トランス脂肪と呼ばれる不飽和脂肪で作られた油を避けるように指示しています。
AHAによれば、大さじ1杯あたりの油の飽和脂肪は4グラム未満である必要があるといいます。
これで、次に食料品の買い物をする際に買うべきでない食品がわかったのではないでしょうか。

出典 2020年8月5日更新 Medical Daily『Don't Depend on Coconut Oil for Heart Health; It Increases LDL Cholesterol』 (2020年8月11日に利用)
https://www.medicaldaily.com/coconut-oil-consumption-increases-bad-cholesterol-study-finds-455343