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帯状疱疹ワクチンの追加作用として、脳卒中リスクが低減される?

新しい研究では、高齢者の帯状疱疹ワクチン接種には、脳卒中予防作用もある可能性が示されました。

帯状疱疹は、脳卒中リスク上昇に関連するウイルス感染です。
しかし、帯状疱疹ワクチンを接種した80歳未満の患者では、全体的な脳卒中リスクが20%低下しました。
80歳以上の患者ではリスクは約10%削減されたと、米国疾病管理予防センターの研究者であるカンヘ・ヤン氏が率いる研究チームは述べました。

「これは、予防接種に二重の効果があるということです。」とアーマンソン-カリフォルニア大学ロサンゼルス心筋症センターの所長であるグレッグ・フォナロウ医師は語りました。

「帯状疱疹と脳卒中が両方減少します。」と、この研究に関与していなかったフォナロウ氏は述べました。

この研究結果は、66歳以上の100万人を超える患者のメディケア(米国の高齢者向け医療保険制度)記録を調査したことで得られました。
対象は全員、2008年から2014年の間に帯状疱疹ワクチンを接種していました。
その後4年間、脳卒中の発生に関する追跡調査が行われました。

米国国立神経障害研究所によると、帯状疱疹は水痘ウイルスによって引き起こされる、痛みを伴う発疹や水疱の症状が出る疾患であるといいます。
水疱瘡に罹ると、最終的に帯状疱疹を発症するリスクが大幅に高まります。

40歳以上のアメリカ人はほぼ全員、休眠状態の水痘ウイルス、または水痘帯状疱疹ウイルスを保有しています。
フォナロウ氏は、「米国の成人の3人にほぼ1人が、生涯のいずれかの時点で帯状疱疹を発症するだろう」と述べました。

しかし、ヤン氏と彼の同僚研究者は、ワクチン接種により全体的な帯状疱疹リスクがほぼ半減したことに注目しました。

帯状疱疹患者のほとんどが50歳以上であることを考慮し、CDCは50歳以上の成人は全員帯状疱疹ワクチンを接種することを推奨しています。

ヤン氏のチームは、ワクチン接種により血栓誘発性(虚血)脳卒中のリスクも約18%減少し、出血性脳卒中のリスクは約12%減少すると結論付けました。
脳卒中予防効果は、66〜79歳の患者において特に高まることがわかっています。

しかし、なぜ帯状疱疹のリスクを減らすことを目的としたワクチンに、脳卒中予防効果があるのでしょうか?

フォナロウ氏によると、この答えは炎症に関係している可能性があるといいます。

「以前の研究では、帯状疱疹を発症している成人は心臓発作および脳卒中のリスクが高いことが示されていました。」とフォナロウ氏は述べました。
「リスクの増加は、帯状疱疹発症後12か月以内に最大になり、その後は時間の経過とともに減少します。帯状疱疹に対する炎症反応が、心臓発作や脳卒中のリスク増加原因となっていると考えられています。」

そのため、帯状疱疹の発症を予防するワクチンを受けることで、帯状疱疹誘発性脳卒中を予防できる可能性があるということは、理にかなっています。

ただし、これにはいくつかの注意事項があります。
1つには、使用されたワクチンはZoster Vaccine Liveであったことです。
2006年にZostavaxというブランド名で導入されたこのワクチンは、現在ではワクチンの選択に含まれていません。
新しいワクチンである、抗原性補強剤であり、生ワクチンや組換えワクチンではない帯状疱疹ワクチン(ブランド名:Shingrix)の方が効果が高く、現在CDCの推奨選択肢となっています。

しかし、ヤン氏の研究は、Shingrixが2017年に導入される前に完了していました。
したがって、フォローアップ研究では、新しいワクチンに脳卒中リスク低下効果が見られるかどうかを調べる必要があります。

調査結果は、ロサンゼルスで2月20日に開催される米国脳卒中協会国際脳卒中会議で発表される予定です。
会議で発表された研究は通常、査読済みの医学雑誌に発表されるまでの間は、準備段階にあると見なされます。

出典 2019年2月12日更新 Medicine Net『Shingles Vaccine Bonus: Reduced Risk of Stroke?』(2020年2月14日に利用)
https://www.medicinenet.com/script/main/art.asp?articlekey=228110