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変形性関節症患者の運動方法

変形性関節症があると、運動との関係は難しいものになります。
しかし結局の所、身体活動の増加は、進行性かつ消耗性の関節疾患を管理し、進行を遅らせるために必要となる基本事項の一つです。
とはいえ、変形性関節症患者が特定の運動を行うと強い痛みを伴い、関節の痛みを悪化させる可能性があります。

アメリカ疾病予防管理センターによると変形性関節症を患うアメリカ人は3,000万人以上であるといいます。
そのためあなたがその一人である場合、運動方法は賢く慎重に決定することが重要になります。

変形性関節症患者に関節保護効果をもたらし、運動に伴う痛みのリスクを減少させるための、専門家が推奨する次の7つの指針があります。

  • 専門家に相談する
  • 準備運動する
  • 衝撃の弱い運動に焦点を当てる
  • 痛みがない限り、可動範囲全体を使う
  • 等尺性運動について学ぶ
  • 短い運動を頻繁に行う
  • 自身の体に合わせ、必要に応じて調節する


<専門家に相談する>
変形性関節炎患者が身体活動を増やそうとする場合、まずは自身の関節の健康状態や症状、運動歴を専門家と相談すると良いと、Katrina Pilkington氏は言います。
Pilkington氏は、ネバダ州に拠点を置く全米スポーツ医学協会の認定専門トレーナー、および矯正運動の専門家です。
彼女は、リウマチ専門医に相談し、自分のパーソナルトレーナーもしくは理学療法士を見つけることを推奨しています。

過去に一度もトレーナーや理学療法士の助けを借りたことが無い場合は特に、一度は相談してみることが大切です。
どちらの専門家からも、最も安全で健康に良い方法で運動を行うための運動フォームの基礎を学ぶことができます。


<準備運動する>
時間が足りないと、何もせず運動をしたいと思うかもしれませんが、諦めないで下さい。
関節炎財団によると、日課の運動を始める前には、数分かけて運動に使う筋肉や関節への血流を増やすことが重要だといいます。
簡単な準備運動としては、腕回しや反復横飛び、スクワットの他、ウォーキングやサイクリングなどの軽い有酸素運動があります。


<衝撃の弱い運動に焦点を当てる>
ランニングやジャンプの様な衝撃の強い運動は骨や関節、筋肉組織の強化に役立ちますが、関節疾患のある人にとっては、最適な出発点とはいえません。
「衝撃の少ない運動から始め、自分の感覚に応じて徐々に変化させていく方法がお勧めです。」と、理学療法士のWilliam Behrns氏は言います。
彼は、ニューヨークにある特別外科病院(Hospital for special surgery)の認定整形外科専門医です。

衝撃の弱い運動としてお勧めなのは、サイクリングや水泳、筋力トレーニングがあります。
両足がが常に地面に付いたまま行える
例えば、ランジ(ウェイトトレーニングの基本的種目の一つ)の際前後にステップを踏む代わりに、
足首や膝、腰が揺れないように膝立ちを維持したまま行います。
同様に、ジャンプスクワットの代わりにゴブレットスクワット(胸の前にダンベルを持つ)を行い、関節のストレスを軽減しながら、筋肉を出来る限り強く動かします。


<痛みがない限り、可動範囲全体を使う>
定期的に動かせば、関節を自由に動かすことが出来るようになると、Pilkington氏は言います。
使わなければ、失うということです。
しかし、無理やり痛みを伴う姿勢を取らないことが重要です。

例えば、非常に低姿勢のスクワットを行うことがあるかもしれませんが、これは膝や腰を痛めます。
可動範囲を狭め、痛みを伴わない範囲で出来る限り膝や腰を動かすと良いと、Behrns氏は言います。


<等尺性運動について学ぶ>
関節によってはどんな動きでも痛みを伴うことがありますが、その場合等尺性運動が有効です。
この運動では上下左右に動くのではなく、そのままの位置をキープします。

等尺性運動では、その場を動かずに筋肉を鍛え、強化することを念頭に置くことが重要です。
例えば、等尺性のランジを行う場合、可動可能範囲の一番低い位置で30秒間キープし、その後一番上付近で30秒間の運動を繰り返します。

その他の等尺性運動としては、スクワットやグルートブリッジ、肩あげがあります。
変形性関節症は膝や腰、肩に起こることが多いため、こうした運動は特に効果的です。


<短い運動を頻繁に行う>
1日の中で短い運動を複数回に分けて行えば、日課の中に運動を組み込み、長時間座りっぱなしでいることを防ぐことができます。
しかし変形性関節症患者にとって短い運動は、関節に過度な負担をかけない点でも効果的であると、Pilkington氏は話します。
どんなに短い運動でも、日々の運動目標に加算することができます。
Behrns氏は、中強度の運動を週合計150分行うか、激しい運動を週合計75分行うことを推奨しています。
上記2つを組み合わせても良いでしょう。


<自身の体に合わせ、必要に応じて調節する>
特に運動でミスすると症状が悪化したり、長らく運動していたにもかかわらず突然一部の運動ができなくなることがあるため、変形性関節症患者にとって運動はストレスの元となることがあります。

しかし、これまで通りに運動したり、好きな動きを行うのではなく、体の感覚に応じて動かせばはるかに良くなると、Behrns氏は言います。
彼は、自身の症状に耳を糧向け、痛みを感じたらすぐに体の悪化に繋がるものであると考え、対処するように勧めています。
具体的には、運動のバリエーションを変えたり、日課の中で回復時間を増やしたり、1日の中で運動する時間を調節する方法があります。

出典 2019年12月6日更新 U.S. News『Tips for Exercising When You Have Osteoarthritis』(2019年12月19日に利用)
https://health.usnews.com/wellness/fitness/articles/tips-for-exercising-when-you-have-osteoarthritis