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JapanRx / 匂い識別試験薬はアルツハイマー病の症状を改善する

匂い識別試験薬はアルツハイマー病の症状を改善する

嗅覚の低下は、アルツハイマー病が発症する前の認知機能低下における初期兆候のひとつとして認識されています。
新たな研究では、この症状を、軽度認知障害(MCI)患者がアルツハイマー病の治療薬(コリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれる)に反応するかどうかを判断するために使用できることが示されています。

コリンエステラーゼ阻害薬は、アルツハイマー病の認知症状改善における有効性を示しています。
しかしこの薬は、アルツハイマー病リスクが著しく高い状態であるMCI患者の治療薬としても効果があることは、未だ証明されていません。

コロンビア大学メディカルセンターで1年間にわたって行われた研究では、37人のMCI患者が、コリン作動性伝達を遮断するアトロピン鼻スプレーを使用する前後に、匂い識別テストを受けました。

その後、患者は52週間にわたって新薬(ドネペジル)による治療を受け、定期的に記憶力と認知機能の検査を受けました。
脳内のコリン作動性の欠陥がより多く見られた患者では、抗コリン性鼻スプレーの使用後、ドネペジルによるより大幅な認知機能の改善がみられました。

さらに、ベースラインから8週間後までの短期間での匂い識別能力の向上は、1年間にわたるドネペジル治療による長期的な認知機能の改善に関連する傾向がありました。

本研究の筆頭執筆者であるDevanand博士は、次のように述べている。
「これらの結果は、特により大きな集団で再現された場合、このシンプルで安価な治療法が、ドネペジルのようなコリンエステラーゼ阻害薬による治療の効果がある可能性のある多くの軽度認知障害患者を改善できる可能性を示しています。」

出典:2017年11月13日更新『‘Smell test drug’ could improve Alzheimers symptoms』Health Spectator UK(2019年4月23日に利用)
https://health.spectator.co.uk/smell-test-could-improve-alzheimers-symptoms/