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JapanRx / 前臨床研究が示すケトダイエットの抗癌効果

前臨床研究が示すケトダイエットの抗癌効果

血糖値をチェックするのは、糖尿病の予防と管理に役立つことがよく知られていますが、テキサス大学ダラス校の生物学者が率いる新しい研究は、 血糖値を制限すると特定の癌が抑えられることを示しています。

Cell Reports誌のオンライン版に8月13日に公開された研究において、研究者たちは肺がんのマウスにおいて、糖の循環を制限しました。

糖の循環の制限は、マウスに糖分が非常に少ないケトン食を与え、血液中のグルコースが腎臓に再吸収されるのを防ぐ糖尿病薬を与えることで調整されました。

「ケトン食と血糖の薬理学的制限の両方が、それ自体で肺癌マウスの扁平上皮がん腫瘍が更に成長することを抑えました。」

と、テキサス大学ダラス校(UT Dallas)で生物科学の助教授を務めこの多国籍研究の著者であるジェイ・キム・ジュン・ワン博士は述べました。

「これらの介入により、腫瘍は縮小しませんでしたが腫瘍の進行を妨げたため、このタイプの癌は糖制限に対して脆弱である可能性が          示唆されました。」

多くの種類の癌細胞はエネルギー供給としてグルコースまたは糖に大きく依存していると疑われていますが、キム博士と彼の研究グループは、以前の研究で、ある特定のタイプの癌である扁平上皮癌が腺癌など他のタイプの癌よりも著しくグルコースに依存していることを示しました。

「マウスで行った我々の新しい研究においての重要な発見は、ケトン食だけでも扁平上皮癌の腫瘍増殖を抑制する効果があるということです。」

とキム博士は述べました。

 「これを糖尿病薬、化学療法と組み合わせると、さらに効果的でした。」

キム博士は、グルコース制限が非扁平上皮がんのタイプには影響しないことを指摘しました。

「私たちの研究結果は、このアプローチががん細胞型特異的であることを示唆しています。すべての種類のがんに一般化することはできません。」

研究者らはまた、肺がんまたは食道扁平上皮がんの患者192人と、肺腺がんの患者120人の血液サンプル中の血糖レベルを調べました。

血液サンプルは、その日のランダムな時間に採取され、糖尿病の1つの臨床的尺度である120 mg / dLより高い、または低いグルコース濃度を含む  ものに分類されました。

糖尿病と診断された患者はいませんでした。

「驚くべきことに、扁平上皮癌患者の血中グルコース濃度が高いことと生存率が低いこととの間に強い相関関係があることがわりました。」

とキム博士は述べました。

 「肺腺がん患者にはこのような相関関係は見られませんでした。これは、扁平上皮癌の増殖を抑制するために、グルコースの制限が潜在的に有効であることを示す重要な観察結果です。」

キム博士は、より包括的かつ詳細な臨床研究が必要であると強調しましたが、この研究結果は癌治療の潜在的に新しい治療方法を示しています。

「患者のグルコースレベルを操作することは、がん細胞を、直接、標的とすることとは異なる新しい治療方法になるでしょう。」とキム博士は述べました。

 「これは、がん細胞自体を標的とすることからのパラダイムシフトの一部だと思います。免疫療法はその良い例です。これは、人間の免疫システムが活性化され、がん細胞を追いかけるのです。」

「より効果的にがんと闘うために、自分にある生物学的システムを少し操作したり、すでに持っているものを活性化するということができるようになる かもしれません。」

 

【以下のウェブサイトより引用】

Preclinical research suggests anti-cancer effect of keto diet

Medical Xpress