前立腺癌の治療を必要とするかどうかを示す尿検査

2019年6月26日（HealthDay News） - 前立腺癌であることを知った男性は、潜在的に副作用があるにもかかわらず直ちに癌を治療するか、

もしくは、治療を必要としない成長の遅い腫瘍かどうかを確認するという難しい選択に直面します。

この研究は、そういった男性がすぐにその決定を下すことに役立つかもしれません。

イギリスの研究者らは、前立腺癌の攻撃性を標準的な方法よりはるかに早く予測できる尿検査を作り出したと報告しています。

この新しい検査は、前立腺尿リスク検査、またはPURと呼ばれます。研究者らは、この検査は、診断から5年以内に根治的治療を必要とする可能性が

最大で8倍まで低い男性を特定すると述べました。

PURはまた、従来の検査より5年早く、治療を必要とするかということについての手がかりとなります。

デュラド・ブルックス博士は、アメリカがん協会（American Cancer Society）の癌管理介入担当副の副責任者です。

彼はこの研究には関与していなかったものの、研究内容は「本当に興味をそそるもの」と述べました。

「誰がより進行性の癌を発症するか、または進行する可能性が低い人を予測することができるのではればどちらにも役立ちます。」

「そして、適度な症例サイズに基づいて、この検査ツールは約束されたものを提供してくれるかもしれません。」

前立腺癌は通常ゆっくりと成長し、男性は一生の間に治療を必要とはしないかもしれません。

しかし、どの男性が治療を必要としているかを予測するということは簡単ではありません。

一般的に使用されている前立腺特異抗原検査（PSA検査）は誤った癌の懸念を引き起こすこともあれば、他の症例では前立腺癌または進行性の癌を見逃すこともあると、研究著者らは述べています。

現在、男性が積極的に治療しようと思えば繰り返し検査を必要とすることがあります。

これらの検査には、血液検査、デジタル直腸検査、MRIスキャン、生検（外科的に切除をした小さな前立腺組織の検査）が含まれます。

研究者らは、これらの検査、また、男性が癌であることを常に意識すると、たとえ、それを必要としているかどうかがわからない場合でも、

多くの男性が治療を選択するようになると研究者は説明しました。

PURテストは洗練されたコンピューター技術により、前立腺癌のリスクが高いのは誰なのかをより正確に予測します。

研究では、尿サンプルは500人以上の男性から採取されました。ほとんどが前立腺癌でしたが、100人近くは前立腺癌ではありませんでした。

イギリスのイーストアングリア大学医学部のシア・コネル氏らは、サンプル中の167個の遺伝子の発現を調べました。

そして、個々の前立腺癌がどれほど危険であるかのを予測するのを助けることができる35個の遺伝子を見つけました。

研究者らはまた、平均6年間、男性の健康状態を追跡しました。

癌が進行した23人の男性のプロファイルは、癌が進行しなかった男性とは有意に異なっていました。

ブルックス博士は、これらの調査結果について、「より多くの人々を対象とした追加調査が十分に価値があると期待できます。」と述べました。

しかし、商業的に検査が利用可能になるのは恐らくは数年後になるだろうと述べました。

ニューヨーク州レイクサクセスにあるノースウェルヘルス泌尿器科学研究所のマニッシュ・ビラ博士も、この新しい研究について意見を述べました。

「これは尿検査による前立腺癌の最初の多遺伝子パネル評価を表すため、非常に興味深い研究です。

新しいPUR検査は低リスクの患者における従来の評価よりも、より早く潜在的に攻撃的な前立腺癌を特定する可能性を秘めています。」

ビラ博士は、将来の潜在的な用途としては、長期間にわたって患者は繰り返し検査をすることになるだろうと付け加えました。

検査結果の変化は、男性の腫瘍の変化を意味するかもしれません。

「確かにこういった検査の結果は素晴らしいものですが、検査はより多くの患者グループで検証される必要があります。」

とビラ博士は言いました。

そして彼は、研究者たちは、このテストが費用対効果も高いことを示さなければならないだろうと付け加えました。

この研究は6月26日に泌尿器科学誌『BJU International』に掲載されました。

【以下のウェブサイトより引用】