プロバイオティクスサプリメントは、その「善玉菌」で腸内細菌叢を効果的に増やす？

スーパーマーケットの棚に並ぶプロバイオティクスには、あらゆる形や大きさのものがあります。

ほとんどは一般的な消化と免疫のサポートがうたわれていますが、過敏性腸や気分が落ち込んでいる人のための、よりターゲットを絞った治療に使用されると主張するものもあります。

これらの商品は、腸内のさまざまな「善玉」の細菌が全体的な健康状態を改善するという前提に基づいています。

これが真実であることはわかっていますが、ボトルに入ったプロバイオティクスが効果があるという証拠はあまりありません。

しかし、クローン病から大うつ病性障害に至るまで、これらのサプリメントをより効果的にするための研究が現在進行中です。

あなたの腸は細菌だらけ

胃腸管には 300 種～ 500 種の細菌が生息しています。

そして、それらはたくさんあり、あなたの腸には体内の人間の細胞とほぼ同じ数の微生物が生息しています。そして、時にはそれ以上のこともあります。

しかし、心配はご無用です。

「これらは、私たちに本当にたくさんの良い影響があります。」

とニューサウスウェールズ大学マイクロバイオーム研究センターのジョージナ・ホールド博士は言います。

「また、腸内細菌叢の変化は、多くの病気や健康上の問題において確認されています。」

常在微生物は栄養素の消化と吸収を助けるだけでなく、免疫システムや炎症レベルに影響を与え、さらには行動にも影響を与える可能性もあります。

腸内細菌叢は免疫系と常に接触しています。

実際、免疫細胞の最大 80% が腸内に存在します。

この免疫系の接触を通じて、さまざまな微生物が炎症を引き起こし、炎症性腸疾患、関節リウマチ、がんなどの症状を引き起こしたり、また、炎症を抑えたりすることがあります。

バランスが崩れると

研究者と臨床医の間では、健康な腸内細菌叢とは多様な腸内の細菌の存在であるというのがコンセンサスです。細菌の種類は多ければ多いほど良いのです。

食べたもの、罹患した病気、服用した薬、住んでいる場所、一緒に住んでいるペットなど、腸内細菌叢の構成に影響を与える可能性のあるものはたくさんあります。

「私たちが行う身体活動の量、生活の中で受けるストレスのレベル、これらすべての要因は、私たちの体に関係する微生物に大きな影響を与えます。」

とホールド博士は言います。

特に抗生物質は腸内細菌のバランスを崩す可能性があるため、そういった状況ではサプリメントを摂取することをお勧めします。

特定の細菌種を含むプロバイオティクスが抗生物質に関連する下痢を予防できるという証拠がいくつかあります。

しかし、一連の抗生物質の投与後には、マイクロバイオームの多様性を回復する効果がはるかに低いことが、多くの研究でわかっています。

実際、プロバイオティクスが病気の回復を遅らせる可能性があるという証拠がいくつかあります。

食事を変えることは、マイクロバイオームの多様性に影響を与える最も手っ取り早い方法の 1 つです。

そして、ホールド博士が言うように、「食事は人々が何らかの影響を与えることができる具体的なもの」なのです。

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ヨーグルト、ザワークラウト、キムチ、コンブチャなどの発酵食品には、かなりの量の微生物が含まれています。

しかし一般に、健康な腸のためには、野菜が豊富な食事が推奨されます。

食べ物が多様であればあるほど、腸内細菌も多様になります。

ホールド博士は、私たちの腸内に生息する微生物について、「それらは私たちが食べたもの」と言います。

「私たちがベジタリアン食、高脂肪食、低繊維食を選択すれば、微生物はそれを直接栄養にしてしまいます。」と彼女は言います。

「それらがハッピーでなければ、違った行動をとるか、死んでしまうかのどちらかです。」

しかし、この食品を優先した方法は、実証されているものの、治療法ほどの対象を絞っていません。

糞便移植は重篤な病気の場合に使用され、腸内微生物叢の多様性を迅速に回復するのに効果的ですが、誰にとっても費用対効果の高いか快適な方法ではありません。

そのため、最も有望で有益な種類の細菌を分離し、カプセル化して簡単かつ効果的に送達するための研究がなおも進行中なのです。

プロバイオティクスの未来

プロバイオティクスは、腸内微生物叢を多様化するための単なるツールではありません。

それらは病気を発見し、治療することができます。そして、表面を除染することができます。

またプロバイオティクスを元にしたワクチン開発の研究も進行中です。

「未来はかなり明るいと思います。」

と、シドニー大学で合成生物学を研究するグスタボ・デ・セルケイラ博士は言います。

彼は、細菌からオメガ 3 脂肪酸を抽出する BiomeMega という新興企業の CEO でもあります。

セルケイラ博士は、新しいプロバイオティクスの潜在的な用途に期待を抱く一方で、克服すべき障害があることも認めています。

「これは、新しいプロバイオティクスを実際に市場に投入し、それらのプロバイオティクスを特定の機能に割り当てるプロセスです。そして、個別に調整された方法で機能することを実際に実証します。」

と彼は言います。

セルケイラ博士は、腸内でのプロバイオティクス株の機能を確立し、この機能が人によって一貫していることを証明するには、さらに多くの臨床試験が必要であると述べています。

「プロバイオティクスが単独の種であるか、あなたのマイクロバイオームや遺伝子に適した種の適切な組み合わせであるかにかかわらず、そのプロバイオティクスがあなたにとって適切であることを確認することが重要です。」

ディーキン大学にある食と気分センターの研究者である、ヴォルフガング・マルクス博士は、これは重要な考慮事項だと言います。

「私の腸内細菌叢は、おそらくあなたの腸内細菌叢とはかなり異なって見えるでしょう。」とマルクス博士は言います。

「つまり、私にとってうつ病の管理に最も効果的な株は、あなたにとっては大きく異なる可能性があるのです。」

腸と脳は、神経とホルモンの複雑なネットワークを通じて繋がっています。

脳は消化管で起こることに影響を与え、腸は感情や認知に影響を与えるのです。

この関連性により、プロバイオティクスはメンタルヘルスにおける研究分野として急成長しています。

プロバイオティクスはすでに、大うつ病性障害など一部の症例で補助的に、メンタルヘルス治療用に使用されており、小規模な研究では有望な結果が得られています。

しかし、精神科治療薬と同様に、プロバイオティクスも万能の解決策ではありません。

したがって、この分野では、より個別化されたアプローチに向かって進んでいるとマルクス博士は言います。

「将来的には腸内微生物叢の分析を治療の指針として使用する可能性があります。」

と彼は述べました。

「今とは対照的に、単なる『キッチンシンク』のアプローチです。」

この個別化されたアプローチが、最終的には個人的に処方されたカプセル内のプロバイオティクスになる可能性があります。

あるいは、腸内微生物叢を正しい方向に導く処方食となる可能性があります。

「現時点ではすべてが検討中だと思います。」

とマルクス博士は言います。

ホールド博士も、市販のプロバイオティクスの背後にあるコンセプトは強力であるものの、その実現はまだ十分ではないことに同意しています。

「最終的には、個人のニーズに基づいたプロバイオティクスの組み合わせが開発されると思います、」と博士は言います。

しかし、このように個別化されたアプローチが採用されるようになるまでには、やるべきことが非常に多いようです。

ホールド博士はまた、アドバイスと引き換えに腸内細菌叢のプロファイリングを約束するサービス出回っていることにも警告しています。

「もし誰かが、あなたのマイクロバイオームプロフィールに基づいて、火曜日にはソーセージを食べるべきではないという報告書を書こうとしているなら、…私の意見では、それには根拠がありません。」

ホールド博士は、腸内細菌は毎日変化しており、1 日を通して何を食べるかにもよりますが、おそらく 1 日に複数回変化すると指摘しています。

したがって、ホールド博士は、この分野がいくつかの期待できる目標に向かって取り組んでいる一方で、そういった期待に対処しなければならないと述べています。

【以下のリンクより引用】

Do probiotic supplements effectively boost your gut microbiome with 'good' bacteria?

ABCNet

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