ビタミンCや亜鉛は、風邪を早く治すのに役立つ？

Q：
ビタミンCや亜鉛などの「免疫促進成分」は、本当に風邪に役立ちますか？


A：
風邪やその他ウイルス性上気道感染症の予防や治療効果を謳う製品はたくさんあります。
これには、単なるビタミンC剤から、水と混ぜて飲める手の込んだパウダーまで幅広くあります。
しかし残念ながら実際に効果があることが示されている製品は不足しています。

ビタミンCは重要な栄養素です。
しかし研究では、急性疾患罹患時に使用した際の有効性として、せいぜい8％回復が早まることしか示されていません。
すなわち、一般的に7日程度の疾患持続期間が、13時間短縮されるということです。
最悪のケースとして、全く効果が示されなかった研究もあります。

一部の風邪やインフルエンザの予防製品には亜鉛が配合されています。
亜鉛を風邪の治療に使用した古い研究では効果が見られていましたが、この研究は亜鉛製品の製造メーカーから資金提供を受けていたため、結果には疑問が残ります。

この研究の後、亜鉛の効果を示した研究はありません。
その上、高用量の亜鉛摂取（マルチビタミン剤に通常含まれる量を超えて摂取した場合）による毒性は、間違いなくリスクとなります。

これらの風邪用製品使用による効果はプラセボ効果であるのか、もしくは得られた効果は水分補給や電解質の交換によるものであるかを判断することは困難です。

ですので、風邪の時にビタミン剤を摂取しても恐らく害はありませんが、一番の薬はやはり時間と水分、休息であるようです。

出典 2020年1月31日更新 health essentials『Will Vitamin C or Zinc Help Me Get Over My Cold Faster?』2020年2月3日に利用）
https://health.clevelandclinic.org/can-immune-boosters-with-vitamin-c-or-zinc-help-my-cold/