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JapanRx / トリプルネガティブ乳がんに対する有望な新薬標的を特定

トリプルネガティブ乳がんに対する有望な新薬標的を特定

予後が非常に悪く、治療標的が限られている進行性の腫瘍であるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療法の改善は困難を極めています。

より良い治療法へのニーズに応え、ベイラー医科大学と協力機関の研究者らは、この破壊的な症状の新たな治療法や転帰の改善につながる可能性のあるTNBCの潜在的な弱点について調査を行いました。

研究チームは、多様なTNBCの動物モデルにおいて、小分子薬ゾタチフィンでタンパク質eIF4Aを標的にすると、いくつかの腫瘍促進タンパク質の産生を強力に阻害することで、腫瘍細胞の増殖を抑制するだけでなく、腫瘍の免疫微小環境を腫瘍の排除に有利な環境に再構築するということを医療情報誌の『Journal of Clinical Investigation』で報告しています。

その有望な発見はこの治療法で潜在的に有益となる患者を評価するための臨床試験を進めるべきであることを裏付けています。

「私たちの戦略は、がんの進行を促進するタンパク質の生成を妨害することでがんの増殖を制御することでした。」
と、筆頭著者のジェフリー・ローゼン博士は述べています。
彼は、ベイラー大学でジェフリー・ローゼン博士の研究室の分子細胞生物学の講師を務めています。

「タンパク質eIF4Aは、TNBCの増殖を助ける他のタンパク質の産生を促進するため、TNBCにとっては重要です。

この研究では、elF4Aのようににタンパク質合成を調節する「ゾタチフィン」がeIF4Aを阻害することで、がんの増殖を促進するeIF4Aの能力であるタンパク質合成が減少または排除されるかどうかを調査しました。」

結果は勇気づけられるものでした。

ゾタチフィンによる治療は、動物モデルの腫瘍サイズを縮小するだけでなく、インターフェロン反応を刺激し、腫瘍の免疫微小環境を改善しました。

「ゾタチフィンでは現在、エストロゲン受容体陽性乳がんを対象とした第I、第II相臨床試験を行っています。我々は、残念ながらTNBC患者は登録されていないこの試験の患者生検では、ゾタチフィン治療後に、同様のインターフェロン反応の誘導を観察しました。」

同研究グループはまた、化学療法や免疫療法と組み合わせたゾタチフィンの効果も試しました。

「ゾタチフィンと化学療法薬カルボプラチンの併用治療を3日間行った後、DNA損傷と細胞死の増加が観察されました。」
とザオ氏は述べました。

「さらに、併用療法により腫瘍塊内の免疫細胞の組成も変化し、腫瘍を防御する細胞よりも多くの腫瘍と戦う細胞が動員されることがわかりました。」

「これは腫瘍を効果的に除去するためには重要です。」

とベイラー大学のダン・L・ダンカン総合癌センターのメンバーで分子細胞生物学の特別教授であるローゼン博士は述べました。 彼はこの研究の責任著者でもあります。

「TNBC腫瘍は一般的に『冷たい腫瘍』であり、それは、腫瘍と闘う細胞よりも腫瘍を守る免疫細胞の方が多いことを意味します。

このため、免疫療法は腫瘍を攻撃する免疫細胞の存在に依存しているため、ほとんどの TNBC では免疫療法が無効になります。

ゾタティフィンは、冷たい腫瘍を、より多くのがんと戦う免疫細胞を運ぶ「ホット腫瘍」に変えました。

この変化により、免疫チェックポイント遮断と呼ばれる一種の免疫療法に対して腫瘍が感受性が高くなり、治療が改善されました。」

ゾタチフィンとTNBCの標準治療として通常使用される化学療法薬カルボプラチンを組み合わせると、動物モデルの生存期間が著しく延長され、それぞれの治療単独よりも有意に良好な結果が得られました。

「私はこれらの動物モデルを長年研究してきました。」

とザオ博士は述べました。

「併用治療により生存率が大幅に改善されるのは非常に興味深いことです。」

「小分子のもう一つの前向きな成果は、化学療法の用量を減らすことができることです。」

とローゼン博士は言います。

「現在、患者は最大耐用量の化学療法で治療されており、それには多くの毒性がと副作用が伴います。しかし、化学療法と低分子阻害剤を組み合わせると、化学療法を最小有効量である用量の半分に下げることができ、毒性を軽減することができそれは生存する上で良好な利益となります。

患者さんたちは化学療法を減らすことで、誰もが経験する負の副作用が軽減されることを期待しているのです。

がんの増殖に必要なタンパク質の合成プロセスを標的とした、がん治療へのこのアプローチが有望な結果を生み出しているのを確認し心強く思います。私たちの研究が将来の臨床試験への情報を提供し、TNBC患者の治療へプラスの影響を与えることに一役買うことを期待しています。」

と、筆頭著者であるザオ博士は述べました。

 

【以下のリンクより引用】

Promising new drug target for triple-negative breast cancer identified

News Medical Net

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