オンラインツールが自閉症の診断を改善

オンラインツールとそれによる評価は、自閉症スペクトラム障害（ASD）の診断をスピードアップするのに役立ちます。

調査では、ヘルスケアにおいてのインターネットベースでの治療は、遠隔医療として知られている分野ですが、それを既存の方法と併用すると、自閉症ケアのサービスを向上させる可能性があることが示されています。

PLOS ONEで本日発表された研究は、イギリスにあるスウォンジー大学医学部の専門家が率いるチームによって実施されました。

COVID-19のパンデミックがオンラインサービスの提供について新たな考えを促しているため、この結果はタイムリーなものです。

現在、最初に診察を受けてからASDの診断が確定するまでには数年かかることがあります。

これは、専門知識が不足していること、診察に予約が必要であること、治療プロセスが後でASDと診断される可能性のある個人にとって非常にストレスになる可能性があるという事実が原因である可能性があります。

これらは専門的なサービスであるため、家族や専門家を問わず、頻繁な診察が必要となる可能性があります。

そして診断の遅れが、家族と個人の両方に悪い結果をもたらす可能性があります。

テレヘルス（遠隔医療）は、放射線、心臓病、メンタルヘルスなどの分野で、また糖尿病や高血圧の患者を監視するためにすでに使用されていますが、この新しい研究は、ASD診断評価をサポートするための遠隔医療の使用に関する既存の文献をレビューした最初のものです。

研究チームは、自閉症と遠隔医療に関連する分野で20年分の研究を調査し、詳細研究のために3,700件の記事を、10セットに絞り込みました。

彼らは、子供と大人のASDの診断と評価に使用されている遠隔医療による方法と、対面式の方法を比較し検討しました。

レビューでは、遠隔医療を使用するための2つの主なアプローチを明らかにしました。

たとえば、ビデオ会議。

これにより、さまざまな地域のさまざまな医療従事者が家族とリアルタイムで出会い、子供や大人を評価できるため、遠方への旅行や複数の予約の必要性が減少します。

これは、保護者、または、介護者が子供の行動のビデオをウェブポータルにアップロードする方法を提供し、臨床医が日常の環境で子供を観察し、評価をより適切に通知できるようにします。

研究チームは、これらの2つの方法が次のことを示す証拠を見つけました。

●家族と臨床医の両方に受け入れられる。

●診断精度が高い。

●より広い地域の家族が専門家にアクセスできるようにする。

●診療を受けるための費用が削減できる。

●家庭での自然な行動を観察できるようにします。

●離婚した家族では両方の親が診断プロセスに貢献できるようになる可能性があります。

スウォンジー大学医学部のシニード・ブロフィ教授は次のように述べています。

「テレヘルスは、ASDの診断プロセスの効率を向上させる可能性があります。

私たちの研究でレビューされた証拠は、既存の方法と組み合わせて使用すると、診断の遅延を減らし、結果を改善できることを示しています。

自閉症の特徴がはっきりしている人や、ASDのある成人にとっては特に有益です。

テレヘルス方式は、家族、教育、ASDの専門家の間での協力や経験の共有を可能にします。

患者、家族、臨床医の満足度という点では、対面方式と同じくらい優れている場合があります。」

研究の筆頭著者であるスウォンジー大学医学部のマナヒル・アルフレイダン氏は、次のように述べています。

「特に、対面式の方法と比較して診断に関して十分な合意があるより重症の自閉症の人にとっては彼らの診断にかかる時間を短縮します。私たちの研究は、遠隔医療の可能性を強調しています。そして、ASDに関連するこのテクノロジーの大規模なランダム化比較試験が行われることでしょう。」

【以下のリンクより引用】

Online tools can improve autism diagnosis

Medical Xpress