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かくれ肥満?お腹の脂肪を減らすべき理由

11カ所のアジア地域の6,000人の心不全患者を対象とした研究では、アジアの「脂肪の少ない」、肥満度指数(BMI)の低いにもかかわらずお腹が出た人たちは、心不全による入院や死亡リスクがより高いことがわかりました。

また、これらの患者は女性であり、糖尿病を患っており、低所得国の出身である傾向がありました。

研究者はこの種の最初の研究で、中国(香港と台湾含む)、インド、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、日本、韓国の患者データを取得しました。

医学雑誌PLOS Medicine上で、著者らは、政府は腹部肥満を防ぎ、「意識や教育、ライフスタイルの変化」を通じて健康的なBMIを促進する明確な国家政策を制定する必要があると述べています。

肥満は、世界的に公共衛生におけるしゅよ8うな課題となっています。

世界中で6億5,000万人が肥満を患い、この数は過去20年間で3倍になりました。
特に低所得および中所得国の若者の間で増えています。

The Lancet Global Healthの9月のレポートによると、中国は世界で最も肥満率が高く、成人の46%と子供の15%が肥満または太りすぎであるといいます。

アジア人はまた、国際基準よりも低いBMI値において、健康に悪影響を及ぼすリスクが高くなっています。

世界保健機関(WHO)は、アジア人間における肥満の定義として、より低いBMI値を使用することを推奨しています。

肥満は心不全の危険因子ですが、西洋の研究では、BMIが高い人ほど予後が良いことが示されています。

これは、肥満のパラドックスとして知られています。

しかし、患者の脂肪が西洋患者と比較して少なく、BMIも24.5以下と低いアジアでは、このパラドックスについてはほとんど知られていません。

医療センターNational Heart Center SingaporeのCarolyn Lam教授を含む研究者は、アジアでの肥満と心不全の結果との関連を調査しました。

彼らは症候性心不全の患者5,964人を調査し、1年後の入院や死亡率を含む予後を調べました。

研究者は、BMI(体重を身長の二乗で割る)が比較的低いものの、ウエスト・身長比(身長で割ったウエスト周囲。0.5以下が理想)が比較的高い場合、心不全の種類によらず、最も悪い予後と関連していることがわかりました。

アジアの心不全患者の14%を占める「脂肪の少ない」集団は、女性であり(35%)、主に東南アジア諸国の低所得国出身であり(48%)、糖尿病の罹患率が最も高い(46%)傾向にありました。

またこれらの患者は、BMI値が高くウエスト・身長比が低い痩せの肥満群と比較して、心不全による入院や死亡リスクが最も高い結果となりました。
WHOによると、女性の心臓病による死亡数は乳がんの7倍以上であり、女性10人の内少なくとも9人が心臓病の少なくとも1つの危険因子を示すといいます。

ヘルスケアプロバイダーであるシーメンスヘルスケア・グローバルによると、中国では心臓病や脳卒中は女性の死亡例の半数近くの原因となっており、これに、地理的、性別、社会経済的な差は無いといいます。

研究者は、単にBMI測定に頼るのではなく、心不全を理解し管理するためには異なるアプローチが必要であると結論付けました。

出典: 2019年11月20更新 asia one『Skinny but fat? Why you should be fighting the tummy bulge』(2019年11月22日に利用)
https://www.asiaone.com/lifestyle/skinny-fat-why-you-should-be-fighting-tummy-bulge