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京大、iPS細胞で骨の難病を再現し薬の有効性を確認

京大、iPS細胞で骨の難病を再現し薬の有効性を確認

京都大学は9月18日、iPS細胞を用いた実験で、骨や軟骨が適正に形成されないために低身長を示す骨の疾患に対し、高コレステロール血症治療薬であるスタチンが有効であることを確認したと発表した。
同成果は同大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門の山下晃弘 研究員、妻木範行教授、兵庫医科大学 産婦人科学の澤井英明 准教授、理化学研究所 統合医科学研究センター骨関節疾患研究チームの池川志郎 チームリーダーらによるもの。
9月17日付けの英科学誌「Nature」に掲載された。 骨や軟骨の形成に異常が起き、低身長となってしまう骨系統疾患の1つに、軟骨無形成症(ACH)およびタナトフォリック骨異形成症(TD)がある。

これは軟骨細胞の増殖および分化を抑制する細胞が過剰に存在することが理由と考えられており、これを阻害する必要がある。
すでにマウスを対象とした研究で、いくつかの化合物の投与によって骨の成長が回復することが確認されているが、その先の開発に必要な適切なヒトの細胞モデルでの研究はされていなかった。


今回の研究ではTD患者のiPS細胞から、TDに罹っている軟骨細胞を再現し、スタチンを投与することで、軟骨の形成が回復することを確認したという。
スタチンは高コレステロール血症治療薬としてすでに臨床で使用されていることから、通常の医薬品開発と比較すると時間とコストを抑えた新薬の創出につながる可能性がある。
なお、実際の治療への応用までには、成人の心疾患や脳梗塞の治療・予防として使用されているスタチンを小児の疾患に使用できるのか、用量や副作用など安全性・有効性について詳細な検討が必要とのこと。

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 記事参照: ウィキペディア,http://news.mynavi.jp/news/2014/09/18/