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PARP阻害剤は一部の膵臓癌での無増悪生存期間を改善する

2019年アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会で発表された第III相POLO試験の結果によると、オラパリブ(リンパルザ)による維持療法は、
生殖細胞系BRCA変異転移性膵臓癌の患者においてプラセボとの比較において無増悪生存期間(PFS)を有意に改善しました。

PARP阻害剤を用いたPFSの中央値は、プラセボでの3.8か月と比較して、7.4か月でした。
さらに、2年後では、プラセボを投与された患者の9.6%に対して、PARP阻害剤を投与された22.1%の患者に疾患の進行が見られませんでした。
「これは、多大なニーズがあるにも関わらずまだ好ましい治療法がない、壊滅的な病気である『生殖細胞系BRCA変異転移性膵臓癌』における
すべてのPARP阻害薬での、最初の第III相臨床試験です。

膵臓癌のほとんどの患者は疾患の発見が遅く、予後不良や治療選択肢が非常に限られています。
「POLOに基づくと、リンパルザは、卵巣癌と乳癌においては第III相の陽性結果を示す最初のPARP阻害剤となります。」
と、アストラゼネカ、オンコロジー研究開発担当副社長のホセ・バーゼルガ博士は述べました。

無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験では、生殖細胞系BRCA1またはBRCA2の突然変異および転移性の膵臓癌への第一選択肢として、
プラチナ系ベースの化学療法で進行がなかった154人の患者において、維持療法としてオラパリブの有効性が評価されました。

この評価では維持療法(n=92)として、また、1日2回(n = 62)、300 mgの経口オラパリブ錠とプラセボが投与されるように患者を3:2に無作為に割り付けました。

無作為化は最後の化学療法薬の投与後、6週間以内に行われ、オラパリブとプラセボでの治療は最後の化学療法投与の4週間〜8週間以内に
開始されました。
無作為化の後、患者は治療開始までの最初の4週間、その後、研究治療中では4週間ごとに臨床訪問を受けました。

治療期間の中央値は、オラパリブを服用している人で6ヶ月、プラセボを服用した人で3.7ヶ月でした。
目星として放射線疾患の進行まで治療は続きました。
進行が見られた後、患者は8週間ごとに2回目の進行について追跡調査され、その後、生存期間中は追跡が行われ最終分析となりました。

投薬を受けた患者は以前に転移性疾患の治療を受けており、少なくとも16週間の最新のプラチナ系ベースでの化学療法を完了した後で
進行は見られませんでした。
さらに、患者は有害であることが知られているかまたは疑われている有害な生殖細胞系BRCA突然変異を有していなければならず、
また、以前、PARP阻害剤で治療された人々は除外されていました。  

主要評価項目は、盲検独立中央レビューによるPFSでした。
副次的評価項目は、全生存期間(OS)、無作為化から二次進行または死亡までの期間、客観的奏効率(ORR)、疾病管理率(DCR)、
安全性、および忍容性でした。

各治療群の患者の年齢中央値は57歳、58%が男性で、そのうち71%が米国腫瘍研究グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスは、
グレード0でした。

患者の3分の2にはBRCA2突然変異があり、残りの患者にはBRCA1突然変異がありました。
PFS中央値は、以前のプラチナベースの化学療法に対する反応に関係なく一貫していました。
6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、および24ヶ月の時点で、オラパリブ群での無増悪患者の割合はプラセボ群の2倍以上でした。
ORRはオラパリブで23.1%であったのに対し、プラセボ群では11.5%でした。

オラパリブで治療された2人の患者は完全な反応を示し両方とも調査終了段階で反応は進行中でした。
奏効期間の中央値は、オラパリブ群で24.9ヵ月、プラセボで3.7ヵ月でした。 1年後、オラパリブを投与された患者の33.7%では、
プラセボを投与された患者の14.5%と比較して、疾患の進行の徴候は見られませんでした。

データ成熟度46%でのOSの中間解析では、両群間で差はないことが示されています。
さらに、研究者らは健康に関連した生活の質に大きな違いは見られなかったことを報告しました。

オラパリブに関する新たな安全性シグナルはありませんでした。
グレード3以上の有害事象は、プラセボ群の患者の23%と比較して、オラパリブ群の患者の40%で発生しました。プラセボ群で1.7%、
オラパリブ群で5.5%の患者が有害事象のために治療を中止しました。

ASCOのスザンヌ・コール博士は、次のように述べています。

「この試験の結果が及ぼす影響を完全に理解するために、長期的なデータの結果を待ち望んでいます。 オラパリブがBRCA突然変異を有する患者の
転移性膵臓癌の進行を一貫して遅らせていることを確認できるのは勇気づけられることです。」  

【以下のウェブサイトより引用】
https://www.oncnursingnews.com/conference-coverage/asco-2019/parp-inhibitor-improves-pfs-in-pancreat...