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HIV、エイズと女性の健康

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、ヒトに特異的に感染するレトロウイルスの一種です。

レトロウイルスは宿主細胞に侵入し、そのRNAゲノムのコピーを挿入することによってその細胞のゲノムを変化させます。

治療せずに放置すると、HIVウイルスは後天性免疫不全症候群(AIDS)を引き起こし、進行性の免疫系障害を引き起こし、感染症や癌による死亡へつながります。

現在、HIVの効果的な治療法はありませんが、HIV陽性の人々が迅速かつ適切な医療を受ければ、HIVでない人々と同等の寿命を維持できる程度に効果的に管理できます。



女性の間でのHIVの有病率

2018年、米国疾病対策予防センター(CDC)では、米国で36,400件の新しいHIV感染症例を記録しました。

これらのうち、18%は女性であり、この割合は過去10年間安定しています。

女性の新たな感染のほとんどは、HIVに感染した男性との性交によるものですが、静脈内注射薬物の使用により女性は感染のリスクが高くなります。

 

危険にさらされているのはどんな人?

すべての女性がHIVに感染するリスクがありますが、このリスクは下記のような特定のグループで大幅に上昇しています。

感染している男性と無防備に性交渉がある女性。

膣の表面積が陰茎よりも大きいため、女性は男性よりも性交渉中にHIVに感染する可能性が高く、また、性交後、精液は数日間膣内に留まる可能性があります。

注射薬を使用する女性。

針と注射器を共有すると、HIVに感染するリスクが大幅に高まり、それは、また、無防備な性交渉といった他の危険な行動に進む可能性が高まります。

若い女性、特に思春期の女性は、高齢の女性よりもHIVに感染するリスクが高く、特に生殖管の発達が不十分であるため感染のリスクが高くなります。

しかし、高齢の女性では感染から診断までの時間が長くなる傾向があり、治療の開始が遅れ、免疫系を損傷するリスクが高まります。



HIV、女性、そして生殖活動

HIV感染の女性に関する初期の研究では、HIV陽性の女性の出産率はHIV陰性の女性よりも約25%〜40%低いことがわかっています。

それが、HIVウイルスは出産に影響を与える可能性があるという推測につながっています。

考えられるメカニズムの1つとして、HIVが卵巣の早期不全につながる可能性があることを示唆しています。

しかし、最近では、HIVの女性の生殖結果は、行動要因や結核などの併存疾患が原因である可能性が高いことが示唆されています。

HIV陽性の女性は、妊娠中、出産中、または授乳中に子供にHIVを感染させる可能性がありますが、抗レトロウイルス療法薬(ARTを使用すると、このリスクをわずか1%に減らすことができます。

妊娠中ずっとARTを服用し、生後6週間は赤ちゃんにARTを投与することで、感染のリスクを最小限に抑えることができます。

出産後、母乳育児を控えることで、母乳を通じてHIVが感染するリスクも排除できます。



HIVと健康の問題

HIVは、女性特有のいくつかの健康問題を引き起こす可能性があります。



婦人科系の問題

HIV陽性の女性と陰性の女性は同じ程度の婦人科系疾患のリスクがありますが、ARTの使用、免疫の抑制、HIVウイルスの存在によりそのような疾患の重症度と治療に影響を与えます。

同時に、HIVのある女性では、婦人科医療サービスを利用する可能性と実際の利用率が低いことが研究によって示唆されています。

梅毒、軟性下疳、ヘルペスといったほとんどの骨盤感染症は、性感染症であり、異性愛者間の性行為によって感染します。

女性のほとんどのHIV感染は性交渉によるため、その症状は同時に発生し、相互作用します。

性感染症(STI)のある女性は、ない女性よりも2.5HIVに感染する可能性があります。

これは、細菌から保護する膣粘液が破壊されること、生殖管からHIVウイルスの排出が増加されることに起因する可能性があります。

さらに、STIHIVの女性のウイルス量と病気の進行の増加に関連しています。

HIVに関連する他の骨盤感染症には、膣酵母感染症および膣細菌感染症があります。

これらは、HIVの女性によく見られ、再発し、重症になる傾向があります。

HIVはホルモン系にも影響を及ぼし、無月経や月経の間隔を長くする可能性があります。

 

子宮頸癌

子宮頸癌と子宮頸部の前癌状態は、HIVの女性に多く見られ、治療後も再発する可能性が高く、治療への反応が悪く、予後不良とも関連しています。

子宮頸がんは通常、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によって引き起こされ、HIV陽性の女性は、陰性の女性よりもHPVによる癌を発症するリスクが高くなります。

HPVは、HIVの女性ではより長く滞留し、そのため、子宮頸部の前癌状態を発生する確率が高くなり、子宮頸癌への進行がよりはやくなります。

 

子宮頸部検査の推奨

子宮頸部細胞診(細胞検査)は、HIV陽性の女性でもHIV陰性の女性と同等に有効性があります。

しかし、HIVの女性が、癌につながるHPV感染の有病率と重症度が高いため、検査手順は定期的かつ確実でなければなりません。

一部の医療機関では、HIV診断時およびその後6か月間隔で、子宮頸部の悪性および前癌細胞検査を推奨しています。



【以下のリンクより引用】

HIV, AIDS and Women's Health

News Medical Net