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JapanRx / COVID-19:若者のメンタルヘルスに対するロックダウンの影響全てが悪い訳ではない

COVID-19:若者のメンタルヘルスに対するロックダウンの影響全てが悪い訳ではない

  • 学校閉鎖期間の英国の13~14歳の若者を対象とした研究では、不安が軽減された可能性があることがわかりました。
  • 学校は、学業のプレッシャーやいじめ、仲間やストレスを抱えた教師などとの関わりにより、不安を誘発する可能性があります。
  • 既に学校や仲間から孤立していると感じていた学生については、ロックダウン中メンタルヘルスや健康状態に大きな改善が見られました。
  • ソーシャルメディアとデジタルプラットフォームにより、若者は友人や家族と連絡を取り合うことができ、学校とのつながりを保つことができました。


英国ではメンタルヘルスの問題を抱える若者が増え、特に女の子や若い女性の間での自傷行為が明らかに増加しています。
こうした状況でコロナウイルスのパンデミックが起き、それに伴ってロックダウンが実施されたことで、さらなる懸念を生んでいました。

英国中の学校が閉鎖されたことで、10代の若者が学校にいない間に自身のメンタルヘルスや健康状態を模索する、ユニークな機会が生まれました。
一見意外にも思えるかもしれませんが、私たちがイングランド南西に住む9年生を対象として実施した最近の調査では、実際コロナウイルスのロックダウン期間中、13~14歳の若者の不安が全体的に減少し、健康状態が向上したことが示唆されています。

この研究により、学校環境が若者のメンタルヘルスや健康状態に与える影響について、疑問が浮上しています。


<学校でのストレス>

私たちの調査結果では、生徒が学校に通わなかったロックダウン期間、メンタルヘルスの悪化につながり得る一部の要因から生徒が守られていた可能性が示唆されています。
これには、学業のプレッシャーやいじめの他、より微妙な問題である仲間や教師との関係維持も含まれる可能性があります。

これは、生徒側の問題行動や関わり、およびプレッシャーの多い環境で働くことによる
教師のストレスの両方が原因となっている可能性もあります。
実際、既に学校や仲間からの孤立感を感じていた生徒は、ロックダウン期間中メンタルヘルスおよび健康状態に大幅な改善が見られており、この理論が裏付けられています。

ひとつ肯定的な要素として、ロックダウン中、生徒は学校とのつながりをより強く感じていたことがあります。
従来の学校生活によるストレスから解放され、教師は生徒とのより良い繋がり方、コミュニケーション方法を見い出すことができた可能性があります。
大切なことは、それぞれの学校がこの期間中に実施された変更点について考え、今後も継続していくかどうかを考えることです。

出典 2020年8月28日更新 Health essentials『COVID-19: The effect of lockdown on teenagers mental health isn't all bad』 (2020年9月1日に利用)
https://www.weforum.org/agenda/2020/08/school-closures-positive-effects-teenagers-mental-health/