電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 水虫を治療し、悪化を防ぐ方法

水虫を治療し、悪化を防ぐ方法

足の指の間の皮膚に痒みがある、もしくは足の側面の皮膚がはがれ、炎症を起こしているかもしれません。

これは典型的な水虫の兆候です。
医師の間では足白癬と呼ばれる一般的な真菌感染症であり、15~25%の人が発症します。

「赤みをおびた皮膚を薄片状の角質が覆います。」と、アダム・フリードマン氏は言います。
彼は、ジョージ・ワシントン大学医学健康科学部の皮膚病学者です。
足の指の間の皮膚が白く湿った見た目になり、足の裏は乾燥して剥がれやすくなり、赤みと水ぶくれがあらゆるところに発生することがあります。

しかし、別の疾患である可能性もあります。
乾癬や湿疹が、水虫のように見えることもあるのです。

では、水虫はどのように見分ければ良いのでしょう?
医師の診断や治療を受ける必要があるのでしょうか?

「ほとんどの人が、自身の水虫を治療したいと思っています。」と、シャリ・リプナー氏はいいます。
彼女は、ニューヨークにあるウェイル・コーネル・メディシンの皮膚科医です。
痒みや熱傷感などの症状が非常に軽い場合でも、見た目が悪くなります。
また、真菌が爪にまで及ぶことがあります。
爪真菌感染の治療ははるかに困難であると、リプナー氏は言います。

しかし、必ずしも医師の診察を受ける必要はありません。
自分で市販製品を試してみても問題ありません。
テルビナフィン(ラミシール)、クロトリマゾール(ロトリミン)、トルナフタート(チナクチン)、ミコナゾール(ミカチン)、ウンデシレン酸(クルエックス)などの抗真菌薬が配合された薬を探しましょう。
ティーツリーオイルや「天然の」塩といったその他製品には、効果を裏付ける証拠はほどんど無いと、リプナー氏は言います。

「一般的に、約1カ月間治療を継続することを推奨しています。」と、リプナー氏は話します。

しかし数週間経っても症状が改善しない場合は、医師の診察を受ける必要があるでしょう。

フリードマン氏は、医者であっても必ずしも水虫を正確に特定できる訳ではないと言います。
彼は、皮膚科医が静止画像を見て様々な皮膚疾患を特定しようとした際、多くの間違いがあったと言います。
そして、誤診があるとその後状況が悪化する可能性があります。
例えば、ステロイドクリームは湿疹には適しているかもしれませんが、水虫に使うと症状を悪化させることがあります。

皮膚科医は、真菌培養を行う、もしくは病院で水酸化カリウム(KOH)検査と呼ばれる2分間の検査を行うことで、水虫を診断することができます。

通常、ルブルムもしくはメンタグロフィテスという2種類の白癬菌のいずれかの真菌が関わっています。

「私たちの皮膚細胞は、真菌にとってはごちそうです。」と、フリードマン氏は言います。
「この生物は、皮膚の表層を好みます。」
しかし彼は、真菌が表層に住み着くと、「細菌やその他の感染症が障壁を超えて入り込みやすくなる」と言います。

例えば、水虫は最初はうろこ状の紅斑が出ますが、これが赤くはれて痛みを伴うようになった場合、これは別の疾患を発症している警告兆候となります。
炎症は細菌感染、もしくはさらに深刻な蜂巣炎の発症を示している可能性があります。

水虫を治療しないままでいると、真菌が成長し続けることになります。
真菌は足の爪まで及び、爪真菌症と呼ばれる疾患、簡単に言えば爪の真菌感染症を引き起こすことがあります。

「爪真菌症を発症した場合は、認定皮膚科医に診てもらうことがさらに重要になります。」とリプナー氏は言います。
「爪が異常な見た目になる原因には様々ありますが、約50%のケースにおいて、爪真菌症が原因です。」

市販の軟膏やパウダー、スプレーは、爪の真菌感染症には効果がありません。
通常この疾患の治療には、経口抗真菌薬、もしくは高額かつ処方でのみ入手できる新しい局所製剤のいずれかを使用します。

爪真菌症は微生物の温床となるため、治療することが大切だとフリードマン氏は言います。
第一選択薬として経口テルビナフィンが使われ、「1日1錠を3カ月服用する」と彼は説明しています。
足の爪は成長が遅いため、見苦しい部分が伸びきるまで待つ必要があります。
「見た目が正常に戻るまで1年かかることもあります。」と、フリードマン氏は述べています。

水虫が無くなった後は、予防策に集中しましょう。
リプナー氏は、プールデッキや更衣室のシャワーでは、水分発散性ソックスを履き、爪を短く保つことを推奨しています。

「最大の危険因子は恐らく、水虫を患う家族でしょう。」と、リピナー氏は言います。
家の床やシャワーを共有することになるのですから。
「遺伝も関係することがありますが、真菌に触れる機会があることが重要危険因子となります。」

特に運動中に足を覆う靴を履く場合は、足を清潔に乾いた状態に保つことが重要です。
「ランニングシューズは、暗く温かく塩気のあるペトリ皿のようなものです。」と、フリードマン氏は話し、真菌の成長にとって理想的な環境であると言います。

それでもフリードマン氏は、足の皮膚が乾燥していても問題が起こることがあると言います。
私たちの環境にある真菌は、常に繁殖する場所を探しています。
皮膚が乾燥しひび割れていると、菌が繁殖しやすくなります。
そのため、定期的に足の保湿を行うことで効果があるかもしれません。

水虫ができやすい、もしくは爪真菌症の既往歴がある場合、リピナー氏は毎日市販の抗真菌薬を使用することをお勧めしています。
これにより、再発リスクが3分の1に減少すると、彼女は話します。

「水虫は慢性疾患になる傾向にあります。」とリプナー氏は言います。
「再発し、再度治療する必要がでる可能性があると考えましょう。」

出典 2019年8月5日更新 The Washington Post『Think you have athlete’s foot? Here’s how to treat it and avoid more serious problems.』(2020年1月9日に利用)
https://www.washingtonpost.com/health/think-you-have-athletes-foot-heres-how-to-treat-it-and-avoid-m...