電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 長期的な血圧変化は認知症リスク増加と関連している

長期的な血圧変化は認知症リスク増加と関連している

一部の人がアルツハイマー病を発症する理由を理解する上で、血圧はさらに重要なバイオマーカーとなる可能性があります。
新しい研究では、長期的かつ相当な血圧の変化があった人は、認知症の発症リスクが高くなるとの報告がされました。

この研究は、オランダのロッテルダムにあるエラスムス・ロッテルダム大学医療センターと、ボストンのハーバード大学公衆衛生大学院によって実施され、研究結果はPLOS Medicineに掲載されました。

研究者はロッテルダムに住む約5,000人以上の認知症のない人を対象に、約15年間の追跡調査を行いました。
彼らは、10年間で血圧の上昇もしくは低下が最も大きかった人は、血圧が安定していた人と比較して、認知症発症リスクが高くなることを発見しました。

筆頭研究著者のアルバート・ホフマン氏は、将来的に認知機能低下を予防するための血圧コントロールの臨床試験に、長期的に安定した血圧を維持する目標を組み込むことで、効果がある可能性があると述べています。

「この研究結果は、長年にわたる大きな血圧変動が認知症の長期的なリスク増加と関連していることを示した」と、研究著者らは結論付けました。

「血圧変動と認知症の関係は、診断の大分前にこの変動があった時に最も顕著に表れます。血圧の大幅な上昇と下降の両方において、認知症の長期リスクの増加が見られました。」

ホフマンはまた、この研究は、人生の早い時期、神経変性の低下兆候が表れる何年も前に血圧安定を試みることで、大きな利益がある可能性を示唆していると述べています。

事実血圧は、何故一部の人がアルツハイマー病を発症するのかという疑問において、重要な関連として見なされることが増えてきています。
研究では、高血圧が脳の壊れやすい血液系に圧力を与えることで、血流と神経活動の繊細なバランスの崩壊を引き起こすことが示されています。

また研究では、36歳と若い年齢における血圧の変化でさえも、高齢期に脳の健康状態が悪化することを予測できることが示されています。

別の新しい研究において、アルツハイマー病予防クリニックのディレクターを務めるリチャード・イサクソン医師は、一連のライフスタイルの変更および医療介入により、アルツハイマー病やその他神経変性疾患による認知機能低下を遅らせることが出来ると述べています。

イサクソン医師はインタビューの中で、「アルツハイマー病の家族歴がある人は、もう絶望を感じる必要はない」と述べました。

「魔法の薬はありませんが」とイサクソンは付け加え、「私たちは、アルツハイマー病症例の3件中1件が予防できる可能性があると信じています。」と述べました。

既にアルツハイマー病の診断を受けている人に対し、イサクソン医師は、十分な栄養を取り、ライフスタイルを変え、標的医療介入を行うことで、本格的な認知症への進行を遅らせることができると考えています。

出典: 2019年11月15更新 being patient『Long-Term Changes in Blood Pressure Linked to Increased Dementia Risk』(2019年11月27日に利用)
https://www.beingpatient.com/blood-pressure-changes-dementia/