鍼治療は脳に効果があるか

鍼治療は何千年もの間、あらゆる病気の治療に使用されてきました。
身体の特定箇所の皮膚に細い針を刺すことで、自然な治癒を促進し、身体のバランスを取り戻すことができます。

鍼治療の最も一般的な効果の1つとして、痛みの軽減があります。
米国では、この古くからある治療法は頭痛や腰痛、神経痛、さらには月経痛を治療することで知られています。

鍼治療の効果は、これだけではありません。
体の適切な部分に針を挿入することで、脳や神経系にも良い効果があるのです。

皮質や大脳辺縁系など、脳の重要な領域につながる体のポイントがあります。
mindbodygreenによると、これらのポイントを適切に刺激することで、鍼治療が細胞の変化を引き起こし、標的の脳領域における接続や伝達、機能を改善するといいます。
＜脳に対する鍼治療の効果＞

-    記憶力の向上

鍼治療は、心の鎮静や、安定した安静時の脳細胞ネットワークの接続に役立ちます。
これにより注意力や楽手能力、記憶能力を高める可能性があります。

また動物を対象とした研究では、鍼治療が認知機能や記憶力の促進に役立つことがわかっています。

-    脳血流

研究では、鍼治療は脳卒中後の新しい血管成長に役立つ可能性が示されています。
この血管は、脳血流や脳への酸素供給を改善する可能性があります。

鍼治療はまた、中枢の疼痛領域の活性化に役立つことがあります。

-    睡眠の改善

鍼治療は不眠症の治療に用いられてきました。
神経伝達物質の比率を高めることで脳をリラックスした状態に保ち、心を落ち着かせることで夜の睡眠を改善します。

-    片頭痛の治療

研究では、鍼治療が片頭痛の管理に効果的であることが示されています。
研究者は、頭頸部の後ろ側の数カ所に針を挿入することで、片頭痛の原因となる神経の変化に関連する経路の改善に役立つことを見つけました。
＜脳のための最高の鍼治療＞

-    頭皮鍼

頭鍼とも呼ばれ、頭皮部分に針を挿入します。
針のパターンは、動きや知覚、認知、感情、バランス、聴覚をサポートする脳の標的領域によって異なります。

-    体性鍼

このタイプの鍼治療は、中枢または末梢神経系構造につながる体の1,000カ所近くを標的としています。
体性鍼は主に、神経疾患の原因となる脳の細胞死であるアポトーシスの予防に役立ちます。

-    耳鍼

耳鍼は外耳のポイントに焦点を当てます。
専門家は、慢性疼痛やうつ病、外傷性脳損傷不安、不眠症などのさまざまな神経障害の治療に役立つ可能性があると述べています。

出典： 2019年11月14日更新　Medical Daily『Does The Brain Benefit From Acupuncture?』（2019年11月20日に利用）
https://www.medicaldaily.com/does-brain-benefit-acupuncture-445810