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近視の子供のための治療法

無作為化臨床試験のコクラン・ライブラリーのレビューによると、子供の近視の進行を遅らせるための治療は、効果がないか、もしくは、副作用のために実用的ではありません。
オンライン12月7日版に公開された、系統的レビューのコクランデータベースでは、角膜再整形コンタクトレンズや遠近両用ソフトコンタクトレンズの使用を含む、いくつかの新しいアプローチが有望であることを指摘しています。

しかし、レビューではアプローチが無作為化臨床試験で検討されていないため、いずれかの治療をも評価することができませんでした。
仮性近視、もしくは 近視は距離の離れるとぼやけてよく見えなくなる症状を引き起こします。
レビューでは、重度の近視の人は網膜剥離、脈絡膜萎縮、白内障や緑内障などのいくつかの視力を脅かす問題に対して大きなリスクをかかえていると記述されています。

また、子どもたちが学校での視力検査で指摘されるか、または、親や教師が遠くを見るときに目を細めたり見えにくそうにしていることで、近視に気づいたときには、眼科医の診察を受けるようにも記述しています。

遠近両用メガネ、点眼剤、眼内圧低下薬、およびコンタクトレンズを含め、子供達の近視の進行を遅らせることを目的とした可能性のある治療法を評価するため、レビューアは総参加者4696人、23件の研究からのデータを分析しました。

彼らは、最も一般的な治療である遠近両用メガネが、目の成長の刺激として作用するために、「近視の進行のわずかな減速」も得られたことがわかりました。
遠近両用メガネにもいくつかの副作用がありますが、「それらは特に影響はない。」と、レビューの筆頭著者である、コロンバスのオハイオ州立大学検眼学のジェフリー・J. ウォリン博士は、Medscape医療ニュースに述べました。

これとは対照的に、点眼剤は、最も効果的な治療ではありますが、光に過敏になったり近くがぼやけて見えるなどの副作用もあります。
そのレビューを含む研究では、ピレンゼピンゲル、シクロ点眼剤、または、アトロピン点眼液を使用した子供は、プラセボを投与された子供と比較して、研究1年目で、近視の進行を大幅に減ったことが示されました。


しかし、これらの補正が日常的な目薬の処方を正当化するのに十分効果的ではないとウォリン博士は述べています。
「基本的に、最も効果的な治療には〝目が拡張する“という副作用があります。そのため、ただ使用するだけで良いというものではありません。」
加えて、これらの目薬は、まだ市販されていません。そのため、その使用方法については〝限定的であり実用的ではない”とレビューでは記しています。

しかし、いくつかの新しいアプローチは有望です。
「角膜再整形のコンタクトレンズや遠近両用ソフトコンタクトレンズの使用などの、近視矯正のための治療法は有望ですが、更なる情報が必要とされます。しかし、今のところ、公表されているランダム化臨床試験が存在しません。」としてレビューは終了します。


オハイオ州立大学の検眼学部の副学部長であるカーラザドニック博士は、審査には関与しませんでしたが、これらの結果に同調しています。
ソフト遠近両用メガネを通じて、周辺網膜の屈折誤差に光学補正を見てのアプローチも有効証明できていると彼女はMedscape医療ニュースへ回答しています。
「眼科医と患者さんは期待してよいと思います。」と彼女は述べました。


また、レビューに関与していないマサチューセッツ州ボストンの小児病院の眼科医療所長であるメラニー カザルス博士は、既存の治療は効果的ではないことに同意しています。

さらに、彼女はMedscape医療ニュースへ、小児眼科医が一時的に近視を改善することを目的としたコンタクトレンズの使用は提唱しないと述べました。

「角膜再形成、オルソケラトロジーとして知られている技術は、患者が、一晩、[硬質ガス透過性]レンズを着用することを必要とし、日中、それを外した時に近視が一時的に改善します。」
と彼女は書いています。
「永久角膜瘢痕と角膜剥離および角膜潰瘍など、オルソケラトロジー(角膜矯正治療)が十分に立証されている合併症があります。」


(記事元) http://www.medscape.com/viewarticle/755214