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赤ちゃんは大人には見えないものを見ることができる

たとえそれが非常に短い時間提示されたとしても、私たちは一般的に物体の存在を認識することができます。

ただし、最初のオブジェクトの直後に別の物体が表示されると、最初の物体の知覚が損なわれ、その存在に気付かなくなります。

「視覚逆向マスキング」と呼ばれるこの知覚現象は、視覚科学で視覚が脳内でどのように処理されるかを研究するために使用されます。

興味深いことに、この現象は、2番目のオブジェクトが最初の物体と空間的に重なっていない場合でも発生します(4か所を囲む輪郭や4か所の点など)。



この現象の発生は、「フィードバック処理」の中断によるものと考えられます。

私たちが何かを見ると、視覚情報は脳の低い視覚領域から高い視覚領域へとボトムアップ方式で連続的に処理されます。

ただし、視覚信号が高い領域から低い領域に送り返されるトップダウンでのフィードバックの処理も、視覚に重要な役割を果たします。

視覚逆向マスキングは、フィードバック処理への干渉が原因で発生すると考えられています。

「フィードバック処理の発達を調べるために、38か月の乳児に逆向マスキングを行いました。」と、東京の中央大学のポスドク研究員であり、研究の筆頭著者である中島悠介氏は述べています。

「視覚科学の最近の研究では、視覚におけるフィードバック処理の重要性が明らかになりましたが、それがどう発展するのかについてはよくわかっていません。」

乳児に逆再生が発生するかどうかをテストするために、研究者はコンピューター画面に顔の画像を表示し、乳児がそれらを見るために費やした時間の長さを測定しました。

乳児は顔を長く見る傾向があるため、研究者は乳児が顔を知覚するかどうかを、乳児の顔の観察時間を測定することでテストを行うことができます。

顔は2つの方法で提示されました。

ある条件では、顔の画像の後に他の画像が続き、逆向マスキングが発生した場合、乳児は顔を見ることができませんでした。

顔の後には何も表示されなかった場合、乳児は顔を見ることができたようです。



研究者らは、7か月〜8か月の乳児は別のマスク画像が見えないことを発見しました。

これは、成人と同様に、逆向マスキングが発生したことを示しています。

対照的に、3か月〜6か月の乳児は、顔の後に別のマスク画像が続いていても顔を認識できました。

これは、マスキングが発生せず、年長の乳児には見えない顔を年少の乳児は見ることができることを示しています。



「これらの結果は、フィードバック処理が7か月未満の乳児では未成熟であることを示しています。」

と中島氏は言います。

「つまり、年少の乳児には、逆向マスキングが干渉するはずのフィードバック処理がないため、マスキングは効果がありません。」

研究の結果は、視覚のメカニズムが、ボトムアップシステムからトップダウン処理を組み込んだシステムへと、生後1年の後半に劇的に変化することを示しました。

結果はまた、乳児期初期に知覚できる物体が発達中に知覚できなくなることを示しました。

「これは直感に反するように思えるかもしれません。」

と中央大学の山口正美教授は言います。

「代わりに、重要な視覚能力はフィードバック処理の成熟によって獲得されるでしょう。」

たとえば、フィードバック処理は、何かで遮られた物体などの、あいまいな視覚画像を確実に認識するために不可欠です。

「フィードバック処理が未熟な幼児は、外界を曖昧に知覚する可能性があります。」

と山口氏は言います。

「視覚マスキングに対する感受性と引き換えに、曖昧な視覚シーンをしっかりと知覚する能力を獲得するのです。」





【以下のリンクより引用】

Babies can see things that adults cannot

Medical Xpress