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血でもって蚊を制する方法

 

マラリアは、世界で最も死亡率の高い疾患のうちのひとつです。2017年にはこの蚊によって媒介された病気が40万人以上の命を奪っています。現在、ある研究では、人間の血液を蚊に有毒なものにすることでマラリアの蔓延を阻止し、最終的には、完全に病気を撲滅することが示唆されています。

 

世界的な予防および管理戦略の拡大により、2010年以降、マラリアの死亡率は29%減少しましたが、世界の人口のほぼ半分がこの病気にかかる危険性があります。

ほとんどの症例はサハラ以南のアフリカで報告されていますが、マラリアが他の国々に広がる可能性があるというリスクは継続的にあります。

 

イベルメクチンの効果と予防策

この画期的な研究は、コロラド州立大学のブライアン・D・フォイ博士が率いる研究チームによって行われ、疥癬、河川失明症、アタマジラミなどの寄生虫感染症の治療薬であるイベルメクチンが含まれた血液を吸ったマラリア媒介蚊が、その直後に死亡することを発見しました。

「イベルメクチンは、人の血を吸った蚊を殺し、それによって他の人が感染する可能性を減らすという方法で、マラリアの新しい症例を減らします。」

とフォイ博士は説明します。

「イベルメクチンは他のマラリア駆除殺虫剤や抗マラリア薬と比較して、独特の作用機序があるので、マラリアを治療する薬物と一緒に使用することで、この病気の伝染を防ぎます。」

 

抗マラリア薬耐性との闘い

この研究は590人の子供を含む2700人の無作為化試験でした。

すべての参加者に1回投与量のイベルメクチンを投与し、1,447人に追加投与量のイベルメクチンを週に3回投与しました。

チームは18週間の期間にわたってマラリアの症例を記録し、この追加投与量のイベルメクチンがこの熱帯病の疾患リスクの20%の減少につながることを発見しました。

さらに、イベルメクチンの追加投与を受けたグループでは、マラリアにまったく感染していない子供の数が50%以上増加しました。

 

新しい疾患予防戦略の必要性

抗マラリア薬の耐性をきっかけに、新たな疾患予防戦略の必要性が差し迫っていることが強調されています。

過去10年間でマラリアによる死亡率は着実に減少してきましたが、彼は、マラリア原虫寄生虫に対して最も効果的な抗マラリア薬の1つである、アルテミシニンに対する耐性が、発現し始めていると警告しています。

「蚊は薬の予防駆除へ適応能力があるため、特に残留伝染を標的とする方法で、マラリアの伝染を防ぐ新しい方法が必要です。」

とフォイ博士は付け加えました。

イベルメクチンは忍容性が高く広く使用されているため有用性があります。さらなる試験で同様の結果が示された場合、疾患の軽減に役立つ手段となりえます。

 

参照記事:How to Deter Mosquitoes - With Your Blood

当社関連商品カテゴリー:寄生虫感染症, マラリア