電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / 自殺を予防するための治療法とは?

自殺を予防するための治療法とは?

自殺とは悲痛なものであり、残された人達は何が悪かったのか、どうすれば悲劇を防ぐことが出来たのかと考えてしまいます。

しかし連邦防疫センターによると、第二次世界大戦以降、現在の自殺率は最高値であるといいます。
2017年、アメリカでは47,000件を超える自殺が記録され、1999年と比較して33%増加しました。

自殺という壊滅的な問題に対してできることはあるのでしょうか?

先月アナルズ・オブ・インターナル・メディシンで発表されたシステマティックレビューは、この疑問に答えようとしました。
このレビューの著者は23件の研究結果を組み合わせ、成人の自殺を防ぐための介入法に伴う利点と害に関する理解を深めようと試みました。


  • 世界保健機関(WHO)後援のプログラムは、参加者の自殺率を大幅に削減しました。このプログラムは「Brief Intervention and Contact(簡単な介入と連絡)」と呼ばれ、自殺予防に関する教育セッションと、その後最大18か月間、メンタルヘルス専門家による定期的な電話連絡が行われます。

  • 他にも良い結果を出した取り組みとして、メンタルヘルス訓練を受けた人が自殺傾向のある人に短期間の介入を行う「Crisis Response Planning(危機対応計画)」があります。この取り組みでは、自己管理戦略、生きる理由、社会的および専門的サポートの連絡先情報など、感情的に圧倒されてしまった際に使用するチェックリストの書き出しを行いました。

  • 認知行動療法(セラピストが患者と協力してネガティブな思考に挑戦する一種のトークセラピー)は、自殺企図、自殺念慮、絶望感の軽減に役立ちました。しかし薄弱ではあるものの、エビデンスでは結局は自殺を防ぐことはできないことが示されました。

  • 弁証法的行動療法(DBT)は、瞬間瞬間をどのように生き、ストレスに対処し、感情をコントロールする方法を説くことを目指す一種のトークセラピーです。この種のセラピーに関する研究によると、自殺念慮の減少に役立つことがわかっています。

  • 最後の「Window to Hope」と呼ばれる介入プログラムは、中度から重度の外傷性脳損傷のある退役軍人向けに作られました。絶望感は軽減しましたが、自殺念慮は減少しませんでした。


このレビューでは、自殺リスクがある患者のうつ病治療に使用される薬の調査も行われました。この調査では、気分障害の患者に2種類の薬、ケタミン静脈投与およびリチウムを単回投与することで、自殺念慮および実際の自殺を減らすことがわかりました。

重要なことは、自殺は今日の深刻化する問題であるとはいえ、自殺を考える人が人生に希望を持つ助けとなる効果的な予防介入策があるということです。

出典: 2019年10月15日更新 Being patient『8 Evidence-Based Steps to Improving Brain Health (And What Your Doctor May Not Tell You)』(2019年10月21日に利用)
https://www.psychologytoday.com/us/blog/evidence-based-living/201910/what-interventions-help-prevent...