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脳卒中が『読むこと』 にどう影響するかについての洞察がリハビリに役立つ可能性

ジョージタウン大学の研究者は、脳卒中後に人々が言葉を発する能力を調査し、脳のどの領域が脳卒中による影響を受けたかを知ることがリハビリテーションにおいての目的を支援する上で重要な意味を持つ可能性があることを発見しました。

この発見は、2021830日にBrain Communications誌に掲載されました。

「米国では脳卒中からの生存者の5人に1人が、永続的な言語障害を抱えながら生活しています。これらの人々のほとんどは、読むということが困難になっています。」

と、この研究の筆頭著者であるジョージタウン大学の医学博士であるJ.ビビアン・ディケンズ博士は述べています。 彼は、ジョージタウン医療センターにある、大学の認知回復研究所と失語症研究およびリハビリテーションセンターで研究を行っています。

「私たちの研究は、脳卒中後の読書と言語障害についての神経解剖学的および認知的基盤を明らかにし、脳卒中からの生存者での障害の予測を容易にし、標的治療の提案に役立つ可能性があります。」

研究の焦点は、言語を構成する音を理解して使用を可能にする音韻処理にありました。

この処理には、3つの主要な側面があります。

言葉が韻を踏むかどうかを判断する、聴覚、または、認知力、正確で明確な音声を生成する機能である『モーター』、聞いた音を発話するために翻訳する『聴覚運動翻訳』です。

「この研究の目的は、音韻論の3つの異なる側面において、脳卒中の後での読書の困難さとどのように関連しているかを理解することでした。」

とディケンズ博士は言います。

「人々が単語を読むには、大きく分けて2つの方法があります。1つは新しい単語を読むために特に重要な単語の発音です。もう1つは単語全体についての認識です。脳卒中の後に言語障害を起こした人は、単語の発音に特定の問題を抱えることがよくあります。」

研究者は67人の参加者の読解力と音韻能力をテストしました。

そのうち30人は脳卒中を発症しており、別の37人に脳卒中はありませんでした。

高度なMRI技術を用いて、研究者は配線図に似た脳の白質の繋がりを追跡し、影響を受けた研究参加者の脳内の脳卒中の位置を特定することに成功しました。

「私たちは、2つの異なるパターンの読書能力の問題を見つけました。左前頭葉が含まれる部分での脳卒中は運動音韻論とふたつの読み方の一つ、具体的には単語の発音に問題を引き起こしました。

対照的に、左側頭頂葉と頭頂葉が含まれた部分での脳卒中では聴覚運動の翻訳と両方の読み方に問題を引き起こしました。」

とディケンズ氏は言います。

「これらの結果は、それぞれの部分での脳卒中を発症した人が苦労することがよくある、特定の『読む動作」においての問題に焦点を当てた治療法を臨床医が開発するのに役立つ可能性があります。」

「この研究は、朗読能力の一般的な尺度となる『一言を声に出して読むこと』 に焦点を合わせました。」

と、認知回復ラボ(the Cognitive Recovery Lab )、および、脳可塑性回復センター(the Center for Aphasia Research and Rehabilitation)、そして、失語症研究およびリハビリテーションセンター(the Center for Aphasia Research and Rehabilitation )の所長であり、この記事の上級著者であるピーターE.ターケルタウブ医学博士は述べました。

「私たちの研究結果は、脳卒中を患った患者のリハビリテーション療法を開発するために重要な、『音に変換するメカニズム』を明らかにする上で重要な前進です。」

研究者は、これらの発見により口に出して読む動作と同じ中核的な心理プロセスに依存するものであり、日常生活での読書にとってより重要であるサイレント・リーディング(黙読)に一般化できる範囲を確認するための研究を行う予定です。

研究者たちはまた、彼らの研究課題を、音韻処理を診断できるような臨床試験へ結びつけようとしています。



【以下のリンクより引用】

Insights into how a stroke affects reading could help with rehabilitation

Medical Xpress

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