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肝炎とは、その治療方法について

肝炎とは?
肝炎は肝臓の炎症です。
薬物やアルコールの摂取、特定の疾患によって引き起こされることがあります。
しかしほとんどの場合、ウイルスによって起こります。
これはウイルス性肝炎として知られており、最も一般的な形態としてA、B、およびC型肝炎があります。

肝炎の症状
ウイルス感染後、最初の数週間は肝炎の症状がないことがあり、これを急性期と呼びます。
しかし兆候がある場合、A、BおよびC型では、疲労感や吐き気、食欲不振、腹痛、軽度の発熱、皮膚や目の黄色化(黄疸)などの症状が現れます。
B型肝炎とC型肝炎は慢性化した場合、何年も症状が現れないことがあります。
こうなると、兆候が見られた時には、既に肝臓が損傷している可能性があります。

A型肝炎の特徴や症状
A型肝炎には非常に強い感染力があり、あらゆる方法で人から人へ感染が広がる能性があります。
一般的に軽度である為、感染者の多くは、感染していることにさえ気づかないかもしれません。
ウイルスはほとんどの場合自然に消滅し、長期的な肝障害を引き起こすことはありません。

A型肝炎の感染経路
通常食べ物や水を通して感染します。
例えば、感染者がトイレに行った後手を洗わずに食べ物に触った場合、その食べ物は汚染されてしまう可能性があります。
これにより、少量の感染した便が食べ物に移ってしまうのです。
生の貝や果物、野菜、生焼けの食べ物は、A型肝炎発生の一般的な原因です。
従業員がおむつ交換後に手洗いを怠ることにより、デイケアセンター等でも感染が広がる可能性があります。

どんな人がA型肝炎に感染しやすい?
A型肝炎の主な危険因子として、感染率の高い国へ旅行する、またはその国に住んでいることが挙げられます。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の旅行情報欄にて、最近の集団感染発生国について確認することができます。
食べ品を生のまま食べたり、水道水を飲むことで、旅行中の感染リスクが高まります。
デイケアセンターに通う子供たちはまた、A型肝炎にかかるリスクが高いです。

B型肝炎の特徴や症状
B型肝炎に罹患した多くの成人は、短期間に軽度の症状を示し、その後自力で完治します。
しかし、人によっては体からウイルスを取り除くことができず、長期感染を引き起こすことがあります。
ウイルスに感染した乳児の場合、90%近くの確立で感染が一生涯継続しています。
B型肝炎は感染から時間が経つと、肝障害や肝不全、肝癌などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。

B型肝炎の感染経路
感染者の血液や体液と接触することで感染します。
アメリカではほとんどの場合、避妊具無しの性交渉を介して感染が広がっています。
感染者の使用した針やかみそり、歯ブラシを共有することで感染する可能性もあります。
また、感染のある女性が出産すると、赤ちゃんにウイルスが感染することがあります。
B型肝炎はハグや食べ物の共有、咳によって感染することはありません。

どんな人がB型肝炎に感染しやすい?
誰でもB型肝炎に罹る可能性がありますが、複数のセックスパートナーを持っている人や、違法薬物注射を使用する人は、リスクが高くなります。
その他の危険因子としては、血液を扱う医療従事者であること、または慢性B型肝炎感染者と同居していることが挙げられます。

C型肝炎の特徴や症状
C型肝炎に罹患した人の約25%は、短期間の感染後にウイルスを打ち負かします。残りは長期感染者となります。
慢性C型肝炎は、肝不全および肝癌等の非常に深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
ただし、ウイルスに対する効果的な治療法は存在します。

C型肝炎の感染経路
感染者の血液を介して広がります。
米国では、薬の注射針などの共有が主な原因となっています。
感染者が使用した針を入れ墨やボディーピアスに使うことも、感染を招きます。
母親が感染者の場合、出産時に子供が感染する可能性があります。
まれに避妊具無しの性交渉により感染するケースがありますが、リスクは低いと考えられています。
複数のセックスパートナーを持つ事や、HIVにより、C型肝炎の感染リスクが高まるとされています

どんな人がC型肝炎に感染しやすい?
違法薬物注射の使用経験がある人は、それが1度きりや、何年も前のことだったとしても、慢性C型肝炎に感染している可能性があります。
自覚症状が無いことが多い為、元麻薬常用者が感染に気づかないケースが多くあります。
また、1992年以前は、献血用の血に対してC型肝炎ウイルス検査が行われていなかった為、その年以前に輸血を受けた人も、リスクが高くなります。

肝炎の診断方法
慢性肝炎は、何の症状も引き起こさずに何年もの肝臓を攻撃し続けることがあります。
感染症が診断、モニタリング、治療されない限り、感染者の多くは結果として深刻な肝障害を発症することとなります。
幸いなことに、血液検査によってウイルス性肝炎に罹患しているかどうか、その場合どの種類の肝炎かを確認することができます。

どんな人が肝炎の検査を受けるべきか?
前述の危険因子を持つ人、特に麻薬注射使用者や複数のセックスパートナーを持つ人にとって、検査は重要です。
環境衛生擁護団体はまた、アジア系アメリカ人も検査を受けるよう促しています。
スタンフォード大学のアジア肝臓センターでは、米国に住んでいるアジア人の10人に1人が慢性B型肝炎を患っていると推定しています。
またこれらの感染者の多くは、出生時より感染していると推測されています。
加えて米国予防医療専門委員会は、医療従事者による1945年から1965年生まれの人向けのC型肝炎検査1回分の実施を推奨しています。

もし検査結果が陽性であったら?
ウイルス性肝炎と診断された場合は、まず身の回りの大事な人を感染から守るための対策を取りましょう。
A型肝炎の場合は、頻繁に手を洗ってください。
B型およびC型肝炎の場合は、爪切りやかみそり、歯ブラシの共有を止めましょう。
B型肝炎、時にはC型肝炎においても、性交渉によって感染することがあります。
家庭内の全員がB型肝炎ワクチンを接種済みである必要があります。
また、治療法の選択肢について専門家に相談することが重要です。

治療法:A型肝炎
A型肝炎はほとんどの場合自然に消滅し、薬は必要ありません。
吐き気がある際は、1日3回の食事の代わりに、少量の食事を複数回に分けて取るようにしてください。
水やジュース、スポーツドリンクなどで、水分補給をこまめに行いましょう。
体調が回復するまで、激しい運動は控えてください。

治療法:慢性B型肝炎
慢性B型肝炎を治療においては、ウイルスを抑制し、肝臓の損傷を防ぐことが目的となります。
これはまず、肝疾患の徴候を定期的に観察することから始めます。
抗ウイルス薬が役立つこともありますが、誰もが薬を服用できる、もしくは服用する必要がある訳ではありません。
抗ウイルス療法のリスクと利点については、必ず主治医と話し合ってください。

治療法:慢性C型肝炎
FDAの承認を受けた最新の薬として、グレカプレビル(Glecaprevir)とピブレンタスビル(pibrentasvir, 商品名:Mavyret)があります。
この薬物療法は、肝硬変を発症しておらず、以前にC型肝炎治療経験のない全てのC型肝炎患者に対して、8週間という短いサイクルで治療を行います。
治療期間は、病状により長期化します。本薬の処方量は1日3錠です。

上記の他にも、配合剤や、組み合わせて使用され得る単一薬がいくつかあります。
医師は、C型肝炎の種類や、肝臓の機能具合、その他既存の疾患を考慮した上で、適切な薬の選択を行います。
またこれらの薬は高額となりますので、保険の補償範囲についても確認しておきましょう。

慢性肝炎のモニタリング
慢性B型肝炎やC型肝炎管理のため、医師は定期的な血液検査の実施により肝機能を確認します。
超音波やCTスキャンもまた、損傷の兆候を確認する手段として用いられることがあります。
ウイルスが肝障害を引き起こしていないのであれば、治療は必要ないかもしれません。
しかし、変化を観察するために、定期的な検査を行うことが重要です。
合併症は、早期発見により治療が容易になります。

合併症:肝硬変
慢性肝炎の最も一般的な合併症の1つとして、肝硬変があります。
肝硬変は肝臓の瘢痕であり、生検により発見することができます。
肝硬変は、肝臓の正常な機能を困難にし、後に肝不全という、命に関わる状態まで悪化することがあります。
症状には、倦怠感、吐き気、体重減少、おなかや脚の腫れなどがあります。
重症の場合、黄疸や混乱の症状が出ることがあります。

合併症:肝臓がん
ウイルス性肝炎は肝臓がんの最大の原因であるため、慢性B型またはC型肝炎を患う人は、現状健康であると感じても、定期的な観察が必要です。
血液検査により、肝臓がんの存在と関連するタンパク質を検出することができます。
超音波やCTスキャン、MRIにより、肝臓の異常な病変が発覚することもあります。
これらが癌性かどうかを判断するには、生検が必要です。
早期に発見された腫瘍は外科手術により切除できることがあります。しかしほとんどの肝臓がんは、治療が困難です。

肝移植
肝臓は、代謝、消化、解毒、そして身体に必要な多くのタンパク質生産を助ける重要な器官です。
肝臓の大部分が修復できない程損傷すると、これらの重要な機能が行えなくなります。
肝臓が機能しないと人は生きられません。この場合、肝移植が最善策となる可能性があります。
肝移植を受ける場合、ドナーからの健康な肝臓が提供されることとなります。

A型およびB型肝炎ワクチン
A型およびB型肝炎を予防するためのワクチンがあります。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、12〜23ヵ月齢のすべての子供、およびA型肝炎が蔓延する地域へ旅行や仕事をする予定の成人に対し、A型肝炎ワクチン接種を推奨しています。
B型またはC型慢性肝炎の人は、過去にA型肝炎の予防接種を受けていない場合、A型肝炎ワクチンを接種する必要があります。
B型肝炎ワクチンは、出生時のすべての乳児、及び前述の危険因子いずれかを有する成人に推奨されています。
C型肝炎のワクチンはありません。

肝臓を守るには
慢性肝炎を患っている場合でも、肝臓の回復力を保つ方法があります。
まずは、更なる肝障害を引き起こす可能性があるアルコールの摂取を避けてください。
一部の医薬品やサプリメントは肝臓に負担をかけたり、肝疾患のある人にとって安全でない可能性があるため、服用前に医師に相談してください。
最も重要なことは、定期的な肝機能検査の日程を守ることです。
肝臓の変化を観察することで、ウイルスの一歩先を行った治療を行うことができるのです。

2017年9月10日 WebMD, Slideshows
https://www.webmd.com/hepatitis/ss/slideshow-hepatitis-overview