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JapanRx / 糖尿病患者ではチカグレロルが心臓発作、脳卒中を軽減

糖尿病患者ではチカグレロルが心臓発作、脳卒中を軽減

『欧州心臓病学会2019』のホットラインセッションで本日発表された最新の臨床試験結果において、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびグレーターパリ大学病院の研究者チームであるAP-HP /Universitéde Parisは、糖尿病患者の介入研究『THEMIS』における健康転帰に関する研究『The Effect of Ticagrelor』の結果を発表しました。

アストラゼネカが後援する臨床試験では、アスピリンにチカグレロールを追加することで、安定した冠動脈疾患と糖尿病を患うが、心臓発作や脳卒中の既往のない患者の転帰が改善するかどうかを評価し、アスピリンに加えてチカグレロールを服用すると、心血管死、心臓発作、または脳卒中の複合リスクが減少したことがわかりました。この二重抗血小板療法を受けている患者はまた、大出血のリスクが高くなりました。

THEMIS-PCIでは、ステント挿入を含む以前の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けたことがあるTHEMIS患者を対象にした研究では、全体のTHEMIS人口に対して、研究者はチカグレロールとアスピリンを服用している患者にさらに好ましい結果を見出しました。

THEMISの結果はThe New England Journal of Medicine誌で同時に公開され、THEMIS-PCIの結果はThe Lancetで同時に公開されています。

「長期にわたる二重抗血小板療法では、どの患者がレジメンの服用に最も適しているか、つまり、虚血性リスクが高く出血リスクが低い患者を検討する際に慎重に考える必要があります。」

と、THEMIS共同議長であり、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の責任者でハーバード大学医学部の医学教授でもあるディーパック・L・バット博士は述べています。

「私たちの発見は、アスピリンに、チカグレロールが加えられると心臓発作、脳卒中、切断などの重要な心血管疾患を減少させた、以前のステント留置を行っている糖尿病で安定した冠動脈疾患のある患者に最も大きな利益が生じたことを示しています。」

また、同じくTHEMIS共同議長である、グレーターパリ大学病院のフィリップ・ガブリエル・ステグ博士は次のように述べています。

「THEMIS試験に参加した人々はアスピリンに加えてチカグレロールを服用することの利点についての潜在性を理解する上で非常に重要な人達です。

糖尿病患者の数が世界的に増加し続けているため、長期転帰を改善し心血管および虚血性イベントを予防する方法を評価する必要があります。」

これまでの糖尿病患者においての最大の試験であるTHEMISでは、安定した冠動脈疾患と糖尿病の患者19,000人以上が、チカグレロールとアスピリンまたはプラセボとアスピリンのいずれかが投与されるために無作為化されました。

各患者は平均3年以上追跡されました。

その間、心血管死、心筋梗塞または脳卒中を起こした患者は、チカグレロルとアスピリンを服用した9,619人の患者のうちでは736人(7.7%)、プラシーボとアスピリンを服用した818人の9,601人の患者(8.5%)でした。

他の抗血小板薬で見られるように、チカグレロールはプラセボと比較して、大出血のリスク(206人対100人)および頭蓋内出血(70人対46人)とそのリスクを増加させました。

頭蓋内出血の違いは、外傷性出血の数の増加によって引き起こされましたがそれらのほとんどは硬膜下出血であり、自然出血または治療による出血ではありませんでした。

PCIの既往歴のある参加者では、リスクの減少が出血リスクの増加を上回りました。

一般に冠動脈を広げて血流を維持するためにステントと呼ばれる装置を使用するPCIを入れた患者は、THEMIS人口全体の過半数(58%)を占めました。

THEMIS-PCIのこれらの患者のうち、チカグレロールとアスピリンを服用している5,558人中404人(7.3%)に心血管死、心筋梗塞、または脳卒中が発生しました。

チカグレロルを投与された患者5,536人中111人(2.0%)およびプラセボを投与された患者5,564人中62人(1.1%)では大出血が発生しました。

頭蓋内出血のリスクは、チカグレロルとプラセボの間では、それぞれ33人と31人の患者で、違いはありませんでした。

チカグレロルは、PCIの既往のない患者よりも、利益とリスクのバランスが非常に好ましいようです。

「我々の結果は、糖尿病があり安定した冠動脈疾患を有する患者の中で、以前のステント留置歴のある患者へのチカグレロルの使用に焦点を当てるべきであることを示しています。

これは、容易に特定できる論理サブグループです。」と、バット博士は述べています。

 「現在、研究は、虚血性リスクが高いものの出血リスクは低い急性冠症候群の患者に対しては『長期二重抗血小板療法』の使用を研究で支持しています。

我々の研究は、安定した冠動脈疾患がある糖尿病の患者でのはるかに多くの人々に実質的なメリットがあることを示しています。」

 

【以下のウェブサイトより引用】

For patients with diabetes, ticagrelor reduced heart attacks, strokes

Medical Xpress