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研究者はビタミンDの使用に関する栄養ガイドラインと規制を求める

重要な栄養素としてではなく、ビタミンDを薬としてとらえる専門家の認識は、実践を制約し、英国の高齢者介護施設の居住者の健康を危険にさらしていると、『BMJ Nutrition Prevention&Health』誌の研究者は結論付けています。

COVID-19の影響で老人ホーム入居者の脆弱性が脚光を浴びている中、ビタミンの使用に関する栄養ガイドラインや規制の早急な見直しが必要であると彼らは主張しています。

ビタミンDは主に日光によって吸収されるため、北半球の多くの国では冬の間にそのレベルが急落します。

主要な食料源がほとんどないため、食事だけで十分なビタミンDを摂取することは困難であるため、介護施設でのビタミンD欠乏が世界の多くの地域で蔓延していると研究者らは述べています。

ビタミンDは骨の健康にとっては不可欠であり、免疫や、心臓血管の健康、神経学的疾患、呼吸器感染症、肺機能、癌に関与していると考えられています。

最近では、COVID-19に対する感受性と重症度での関連が示されています。

屋外で過ごす時間が少ない人、在宅介護の高齢者や通常肌を覆っている人、肌の色が濃い人などはすべて、ビタミンD欠乏症のリスクが高くなります。

ビタミンDサプリメントは、30年近く在宅ケアを受ける人に推奨されてきました。

2016年には、毎日のビタミンDサプリメントの推奨事項が、冬の間は、全ての人口に、そして介護施設に住む人々には年間を通じて摂取するように拡大されました。

オーストラリア、カナダ、フランス、ノルウェー、ニュージーランド、米国など、世界中の各国の団体が介護施設の居住者に対して同様の推奨事項を発表しています。

ビタミンDの使用に関する考え方と実践をよりよく理解するために、研究者たちはイングランド南東部の2つの異なる地域での高齢者介護に携わる13人に対し目的に沿ったインタビューを実施しました。

インタビューの参加者には、一般医(GP)が4人)、ケアホーム管理者が4人、栄養士、転倒専門医がそれぞれひとり、2人の公衆衛生専門家および管理者、そして、高齢者介護の上級医師がひとりいました。

在宅介護者にビタミンDサプリメントを日常的に処方している介護施設について、知っている人は誰もいませんでした。

ビタミンDサプリメントは規定では食品として扱われていますが、それでも医薬品と見なされていました。

インタビュー対象者は、GPが高齢者介護施設の居住者のビタミンD状態に関与していると考え、処方箋は、現在のNHSガイダンスを反映する維持または予防治療としてではなく、転倒またはビタミンD欠乏症または骨粗鬆症の診断の際に、それに応じてのみ書かれていました。

ケアホームのスタッフは、居住者に市販のビタミンDサプリメントを定期的に提供した場合、医療過誤の申し立てに対して脆弱であると感じると述べました。

そしてこれは、彼らの役割と専門知識の範囲を超えていると感じていました。

そして、誰がこれらのサプリメントを提供し、その費用を負担すべきかについてはかなり曖昧でしたが、ほとんどの人はそれを処方するGPの責任であり、どんな変更も介護施設または居住者とその家族に経済的影響を与えると感じていました。

さらに、サプリメントは店頭で簡単かつ安価に購入できるため、NHSのガイダンスではビタミンDを定期的には処方しないようにアドバイスを行っています。

栄養士を除けば、すべての高齢者介護施設の居住者は、確認用の血液検査を必要としないビタミンDサプリメントを摂取すべきであるという推奨については、よくわかっていないようでした。そして、冬の間、英国の一般の人々にとってさえ、食事と日光が十分なビタミンDレベルを提供できないことを知っている人も少数でした。

ビタミンDサプリメントに関する現在の栄養上の推奨事項も、個人の責任に大きく依存していると研究者らは指摘しています。

「これが自律性が制限された集団に適切であるかどうかは疑わしいです。」

と彼らは言います。

研究者たちは彼らの研究の規模が小さいことを認めていますが、参加者が国の政策推進者を現在の慣行の主要な決定要因として言及したという事実は、この発見がイギリスでより広く一般化できるかもしれないことを示唆しています。

「COVID-19のパンデミックにより介護施設の状況が世間の注目を集め、政治的議題とまでなりました。介護施設での慣行が脚光を浴びている一方で、ビタミンDの推奨事項を介護施設に確実に適用できるようにするための行動が緊急に必要です。」

と研究者らは言います。

「介護施設でのビタミンDサプリメントの医療構造は、長年の栄養ガイドラインの実施に対する実際的な障壁です。

ビタミンDが薬としてでなく保護栄養食品として、そして、医療責任者のみならず公衆衛生の場でも理解されるといったパラダイムシフトが必要です。」

と彼らは結論付けています。

「この研究は、健康におけるビタミンDの役割を再強調しています。これは、COVID-19感染のリスクを低下させるのに役立つ可能性があることを示唆する、本誌に発表された研究を含む、証拠の増加を考えると、さらに関連性が高まっている問題であり、また、特にリスクが最も高い患者の間で、症状の重症度を緩和します。」

と、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の教授兼事務局長であるスマントラ・レイ氏は述べています。

「これは、日光だけでは十分なビタミンDを摂取できない可能性のある人々に、年間を通じてビタミンDサプリメントを提供することを意味します。これには、介護施設で暮らす人々や特定の少数民族グループも含まれます。」

 

 

 

【以下のリンクより引用】

 

Researchers call for nutritional guidelines and regulations on use of vitamin D

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