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研究者によると、テストステロンを増加させることで減量に役立つ可能性がある

テストステロンについて考えるとき、駆け抜ける車やサッカーのタックル、鶏の手羽大食い大会を思い浮かべるかもしれません。
テストステロンは男性と女性の両方に存在しますが、これは男性の主要な性ホルモンです。
テストステロンは多くの場合、伝統的に「男らしい」ものと関連付けられます。
しかしこのホルモンは、これよりもはるかに多くの物事に影響を及ぼしています。
たとえば、European and International Congress on Obesity(肥満に関する欧州および国際会議)で発表された新しい研究では、テストステロンの低い男性は、テストステロンを投与することで、体重増加を逆転できることがわかりました。

人が生まれる前でさえも、テストステロンは性器形成を促進する働きをしています。
10代で顔の体毛と筋肉の成長を引き起こすのはテストステロンです。
これは、テストステロン生産がピークに達する時でもあり、その後、ホルモンレベルは徐々に低下します。
国立衛生研究所によると、テストステロンは、性欲や筋肉の強さ、顔の体毛、精子の産生、ならびに脂肪の分布と骨量にとって重要であるといいます。


<低テストステロンは体重増加、それ以上のことを引き起こす可能性がある>

臨床的にテストステロンが低い男性を研究するドイツおよびアラブ首長国連邦の研究者は、血中のテストステロンレベルが低い800人近くの男性を調べ、半分以上が肥満であることがわかりました。
このグループに属する男性の内、半数強がテストステロン注射を受けました。
テストステロン治療を受けた男性は、ウエストラインが数インチ細くなりました。
11年間におよぶ研究期間中、これらの男性は約50ポンド(約22.7キロ)減量しました。
テストステロンを投与されなかった男性は、平均して13ポンド強(約5.9キロ)増加しました。

変化は、表面的なものにとどまりませんでした。
研究中にテストステロン治療を受けた男性で心臓発作を起こした人はいませんでしたが、ホルモンを受けなかった男性の4分の1は、心臓発作を起こしました。
11年間の間に、両グループにおいて一部の患者が死亡しましたが、テストステロン投与グループの死亡数は、未投与の男性の3分の1でした。
研究に関するプレスリリースによると、死因のほとんどは交通事故、スポーツ事故および術後感染症によるものでした。

両方のグループの男性は研究開始時点で肥満であり、各グループの約半分は2型糖尿病を患っていました。
研究終了時点では、未治療の患者はほぼ全員が2型糖尿病にかかっていましたが、テストステロン治療グループには、新たに2型糖尿病を発症した人はいませんでした。


<奇跡の治療法ではない>

テストステロンは老化に対する奇跡的な治療法ではないので、医師のアドバイスなしに服用してはいけません。
2014年、食品医薬品局はテストステロン療法が脳卒中、心臓発作、死亡のリスクを高める可能性があるという警告を発表しています。
テストステロン使用について、その他報告されている副作用は次のとおりです。

  •     血栓を引き起こす可能性がある総赤血球数の増加
  •     睡眠時無呼吸発症、または悪化
  •     にきびおよびその他皮膚障害
  •     乳房組織の拡大
  •     睾丸の収縮と精子産生の減少

医師が適切に投与を行えば、テストステロンは体重増加を逆転させ、肥満によって引き起こされる可能性のある深刻な健康障害の発症を予防する効果がありますが、医師の監督なしでは、深刻な副作用が出る可能性があります。
さらなる研究が行われるまで、特に臨床的にテストステロン値が低い患者については、医師に相談して適切なライフスタイルを選択することが、減量への最も安全な道である可能性があります。

出典 2020年9月9日更新 Medical Daily『Upping Low Testosterone May Help Weight Loss, Researchers Say』 (2020年9月10日に利用)
https://www.medicaldaily.com/weight-loss-testosterone-aging-455812