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JapanRx / 研究によりエストロゲンがどのように抗糖尿病効果を発揮するのかが明らかに

研究によりエストロゲンがどのように抗糖尿病効果を発揮するのかが明らかに

典型的な女性ホルモンであるエストロゲンは、血管の内側を覆う細胞を刺激して筋肉にインスリンを送り、血糖値を下げ、2型糖尿病を予防すると、テキサス大学(UT)サウスウェスタン医療センターの研究者らは報告しています。

Nature Communications誌に掲載されたこの研究結果は、最終的には世界中の何億人もの人々が罹患し、さらに蔓延し続けている2型糖尿病の新たな治療法につながる可能性があります。

「マウスを使ったこの研究により、体内のブドウ糖の80%がそこで消費されるという「筋肉」へのインスリンの送達が強化される新しいメカニズムが明らかになりました。」

と研究リーダーでありUTサウスウェスタン大学の小児科の教授、そして小児科肺血管生物学センター所長を務めるフィリップ・ショール医学博士は述べました。

研究者らには、エストロゲンが、血糖をコントロールする体内器官におけるインスリン作用の喪失によって引き起こされる高血糖、またはグルコースを特徴とする疾患である「2型糖尿病」を予防するようだということは長い間知られていました。

たとえば、自然閉経を迎えた女性、またはエストロゲンを産生する卵巣の切除手術によってこの状態になった女性は、閉経前の女性よりも 2 型糖尿病のリスクが著しく高く、通常、そのリスクはホルモン補充療法によって軽減できます。

同様に、細胞内のエストロゲン作用を仲介するエストロゲン受容体を不活性化する変異を持つ男性も、この症状を発症する可能性が高くなります。

筋肉や脂肪組織に対するエストロゲンの代謝効果は十分に研究がされていますが、血管の内側を覆う内皮細胞に対するエストロゲンの効果については知られていませんでした。

さらに詳しく知るために、ショール博士と同僚は、遺伝子技術によって内皮細胞からエストロゲン受容体を選択的に削除したマウスで研究を行いました。

エストロゲン受容体変異があるヒトと同様に、この変異を持つオスのマウスはげっ歯類での2型糖尿病を発症しました。

卵巣を摘出し、ストロゲン治療によって回復が可能な健康な動物での2型糖尿病のレシピである高脂肪食を与えられたメスのマウスでは、内皮細胞におけるエストロゲン受容体遺伝子の選択的サイレンシングにより、エストロゲンの抗糖尿病作用は完全に失われます。

これらの実験は、男女ともに、エストロゲン受容体が内皮細胞において血糖値を下げるために重要な役割を果たしていることを示しました。

培養細胞でのさらなる実験により、エストロゲンが内皮細胞上のエストロゲン受容体を刺激すると、インスリンが細胞の一方の側からもう一方の側に容易に送達されることが示されました。

マウスでは、この効果によりインスリンが血流に乗り骨格筋に移動し、体内のブドウ糖の大部分が消費されました。

詳細に観察を行ったところ、ソーティングネキシン 5 (SNX5) として知られるタンパク質がこのプロセスで重要な役割を果たしていることがわかりました。

研究者らは、遺伝子技術を用いて内皮細胞のこのタンパク質をオフにすると、エストロゲン受容体を削除したのと同じように、インスリン送達を刺激するエストロゲンの能力が失われることを示しました。

ショール博士は、次のようにまとめました。

これらの発見は、男性と女性の両方において、内皮細胞に対するエストロゲンの作用が、インスリンを骨格筋に送り込み、血糖値を下げるために重要であることを示しています。

男性の筋肉へのインスリン送達を促進するエストロゲンがどこから来ているのかを解明するには、さらなる研究が必要です。

博士は、内皮細胞のインスリン送達に有利なメカニズムを利用することで、科学者たちは最終的には2型糖尿病を治療するための新しい治療法を開発できる可能性があると述べました。



【以下のリンクより引用】

Study reveals how estrogen exerts its anti-diabetic effects

Medical Xpress

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