男性でのテストステロン値が低いこととCOVIDの重症化との関連
2022 年9月5日 (ヘルスディ・ニュース) - 新しい研究によると、テストステロン値が低い男性は、COVID-19 に感染すると、より深刻な病気になる可能性が高くなる可能性があります。
テストステロン値の低い男性をホルモン療法で治療すると、COVIDによる深刻な病気のリスクが低下する可能性があると研究者は述べています。しかし、医師と患者は、それと比較検討をする必要がある他の影響があるようです。
研究者らは、ワクチンが利用可能となる以前に、COVID の検査で陽性となった 700 人以上の男性の症例を分析しました。
ウイルスに感染した低テストステロン症（低T）の男性は、正常なホルモンレベルの男性よりも入院を必要とする可能性が2.4倍高かったことがわかりました。しかし、COVIDに感染する前に低Tの治療に成功した男性では入院率が下がりました。
「テストステロン値が低いというの非常に一般的です。30 歳以上の男性の最大 3 分の 1 が該当します。」
と研究の共著者であり、セントルイスにあるワシントン大学医学部の教授であるアビナフ・ディワン博士は述べました。
「私たちの研究は、この重要な危険因子と、COVIDによる入院を減らすための戦略として、それに対処する必要性について注意を向けています。」
とディワン博士は大学のニュースリリースの中で述べています。
研究者は以前、COVID で入院した男性の男性ホルモンのレベルが異常に低いことを発見していました。
しかし、彼らは、低TがCOVIDを重症化させる危険因子なのか、それともその結果なのかについては、分かりませんでした。
そのためには、テストステロン値が慢性的に低い男性（病気になる前か回復した後か）が、正常なレベルの男性よりも病気になっているかどうかを調べる必要がありました。
研究者は、セントルイス地域の2件の病院システムから、テストステロン値が記録されている 723 人の COVID 患者を発見しました。
彼らは、427人のテストステロン値が正常な男性、116人のテストステロン値が低い男性、そして、180人のテストステロン値が低いものの治療に成功した男性を特定しました。
彼らは、2020年または2021年にCOVIDに感染しており、感染の前後は低Tでした。
「低テストステロン症はCOVIDによる入院の危険因子であることが判明し、それを治療することはリスクの低下に一役買いました。」
と、セントルイス大学の内分泌学者で共著者のサンディープ・ディンサ博士は述べました。
ディンサ博士は、血液中のテストステロンのレベルが 1 デシリットルあたり 200 ナノグラムを下回ると、重症化リスクは本当に高まると指摘しました。通常の範囲は 300 ～1,000ナノグラムです。
「これは、年齢、肥満、その他の健康状態など、私たちが調べた他のすべてのリスク要因とは無関係です。」
とディンサ博士はリリースで述べています。
「しかし、治療を受けていた人々での重症化リスクは普通でした。」
この研究は、糖尿病、心臓病、慢性肺疾患と同様に、低テストステロン症がCOVIDでの入院に関わる独立した危険因子であることを示していますが、証明はしていません。
低テストステロン症とCOVID19の重度化との関連性を証明するには、臨床試験が必要です。
テストステロン値が低いと、性機能障害、気分の落ち込み、イライラ、集中力や記憶力の低下、疲労、筋力の低下、幸福感の低下を引き起こす可能性があります。
一部の医師は、低テストステロン症は男性の生活の質が低下した場合にのみ治療を行います。
なぜならテストステロン療法は、前立腺がんのリスクや心臓病のリスクを高める可能性があるためです。
「さしあたって、私たちの研究は、特に低テストステロンの症状がある人々でのテストステロン値を調べてから、個別に治療を行うことが賢明であることを示しています。」
と心臓専門医であるディワン博士は述べました。
「彼らが心血管疾患のリスクが非常に高い場合、医師はホルモン補充療法の長所と短所について患者と話し合い、おそらくCOVIDの重症化による入院のリスクを下げることが潜在的な利点とされるでしょう。」
この調査結果は、JAMA Network Open で9月2日に公開されました。
【以下のリンクより引用】
Low Testosterone Levels Tied to More Severe COVID in Men
Healthday