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JapanRx / 抗体がHIV 感染を防ぐ仕組みとは

抗体がHIV 感染を防ぐ仕組みとは

HIV感染を調査している研究チームは、HIV 抗体が最初の細胞の感染を阻害することにより殺菌免疫を得るということを発見しました。

この研究はCell Reports Medicine誌に掲載されています。

「HIVは体液を介して感染するウイルスです。」

と、ドイツにあるフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(Friedrich-Alexander Universität Erlangen-Nürnberg, FAU)の臨床分子ウイルス研究所所長であるクラウス・ユベルラ教授は説明します。

「ほとんどの場合でウイルスは生殖管または直腸の粘膜を通過し、エンベロープタンパク質の助けを借りて粘膜にある免疫系の個々の細胞に侵入します。ここからウイルスは体全体に広がり免疫システムを弱めるのです。」

 

HIVの感染者は世界中で約3,900万人

1981年にHIV 感染が初めて明らかになって以来、このウイルスは急速に蔓延しました。

HIV/AIDS に関する国連共同計画によると、2022年の時点で世界中で約3,900 万人がこのウイルスに感染しています。

まだ治療法はなく、ワクチンも開発されていませんが治療法は進歩し続けています。

「私たちは20年以上前から、HIV感染から細胞を守る抗体について知っていました。抗体はHIVウイルスのさまざまな変異体を無害にすることができます。つまり、広範な中和効果があることを意味します。」

とウイルス学者のユベルラ教授は説明します。

「私たちはこれまで、このプロセスが正確にどのように機能するのか、そしてどの時点で抗体が生物全体へのウイルスの拡散を阻止するのかについては解っていませんでした。」



HIV抗体が最初の細胞の感染を抑制

この研究でその答えが得られています。

エアランゲンの臨床分子ウイルス学研究所のチームと、ゲッティンゲンにあるドイツ霊長類センターのクリスティアン・スタールヘニング博士と協力して、ユベルラ教授は、現在、HIV 抗体が最初の細胞の感染を阻害すること、そして粘膜内の抗体濃度がこれを引き起こすのに十分な高さであることを実証することができました。

研究者らはサル免疫不全ウイルス (SIV) に基づく攻撃ウイルスとして知られるものを開発しました。

「これらのウイルスは、最初の細胞に侵入するために HIV エンベロープタンパク質のみを使用します。彼らは、その後切り替えを行いサル免疫不全ウイルスのエンベロープタンパク質のみを使用します。」

とユベルラ教授は説明します。

動物実験に基づく研究では、これらの攻撃ウイルスを選択された HIV 抗体へ曝しました。

これらは、HIV のエンベロープタンパク質にのみ結合し、サル免疫不全ウイルスのエンベロープタンパク質には結合しないように選択されました。

「動物実験においては、HIV抗体が直腸粘膜を介したウイルス感染を阻止しました。」

とユベルラ教授は報告しています。

「十分な濃度の抗体が粘膜に存在し、粘膜の最初の細胞で感染を阻止しました。」

「感染を完全に防御する」という殺菌免疫はHIV にとって特に重要です。

「これにより、感染した細胞がたとえウイルスのゲノムを持っていたとしても、最初はウイルスタンパク質を形成しないことが保証されます。」

とユベルラ教授は説明します。

「数年後、抗体レベルが低下したときには、これらの潜在感染細胞がウイルスを再活性化し、依然として感染を引き起こす可能性はあります。」

この研究で使用された抗体はまだ臨床開発中ですが、承認後は、HIV 感染から人々を守るための有望な方法となる可能性があります。



【以下のリンクより引用】

How antibodies offer protection against an infection with HIV

Medical Xpress

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