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年齢とともに高悪性非浸潤性乳管癌(DCIS)が増加

放射線ジャーナルのオンラインで公開されたドイツでの新しい大規模な研究により、早期のマンモグラフィ検出率は、年齢と共に上昇しますが、侵入性型乳がんの場合が多いことがわかりました。

非浸潤性乳管癌(DCIS)は乳管に限定された乳がんのタイプですが、マンモグラフィ上の共通の所見です。スクリーニング検出されたDCISの種類によっては、患者の残りの寿命の間に臨床的に症候性になるために進行しないことがあります。そして治療が多大なコストと患者のための潜在的な合併症を引き起こす可能性があるため、通常は手術や放射線療法の形をとりますがDCISの治療は、まだ議論の余地があります。

DCISは、生検試料からの癌細胞が顕微鏡下でどのように見えるかに基づいて等級分けされています。
放置すれば、高悪性、中悪性度および低悪性度DCISが全て浸潤癌に発展する可能性がありますが、高悪性DCISは進行が早く、すぐに浸潤がんになります。
この研究では、高悪性の場合での浸潤癌はDCISが検出された後、平均5年以内に発生することを示しています。

回顧的研究では、研究者はスクリーニングプログラムに初めて参加する50〜69歳までの733,905人の女性を5年ごとの年齢グループ別に分けました。
また、研究では低中高の悪性度でDCISを区別するためのDCISの検出率を決定しました。

733,905人の女性のうち、989人(1.35%)がDCISの診断を受け、そのうち、419人に高悪性388人に中悪性および182人に低悪性と階級付けられました。総DCISの検出率は、ほとんどが高、中悪性のもので、それは、加齢とともに増加しました。

「このグループの中で、高悪性DCISの検出率は65〜69歳の最高齢層での評価で、最大であり、かつ加齢とともに統計学的に有意な増加を示しました。」と、この研究の主執筆者で、ドイツのミュンスター大学病院のメディカルドクターである、ステファニーワイゲル博士は述べました。

ワイゲル博士によると、調査結果は、年齢60歳以上のグループの女性を対象とした標準的なDCIS治療の有効性に関するさらなる研究の必要性を強調しています。

「その高悪性のDCISが再発すると浸潤癌に進行する可能性が高いといった堅固な証拠に対して、DCISに関連する過剰診断の可能性とのバランスをとらなければなりません。」
「しかし、高齢群では生命を脅かす可能性があり、積極的な浸潤性乳癌を防止する可能性があるとして、スクリーニングで検出された非症候性のハイグレードDCISの適切な治療は、さらなる評価が必要です。」と ワイゲル博士は述べました。

「過剰診断および過剰治療の面では、DCIS病変のより詳細な予後の特徴付けが必要であると、年齢との関連性に重点を置く必要があります。」

この結果はまた、高齢女性におけるスクリーニングをめぐる議論で、考慮すべき多くの情報を提供しています。

アメリカの癌協会は、健康な女性に対し年1回のスクリーニングを行うように助言する一方で、米国予防サービス専門調査団(USPSTF)は74歳で年1回のスクリーニングは止めるように勧めています。
USPSTFは年齢75歳以上の女性でのマンモグラフィーの利点と有害性について評価し、確たる証拠がないということをこの決定の基礎としています。
「年齢上限制限とマンモグラフィーの最小間隔についての議論は、浸潤癌検出の有効性を焦点を置くべきです。」と、ワイゲル博士は述べています 。
記事元:http://medicalxpress.com/