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大腸内視鏡の賛否:リスクに見合った効果があるか?

アメリカがん協会の推定によると、大腸がんは毎年101,420件、直腸がんは毎年44,180件の新規症例が出ているといいます。
大腸がん同盟(Colorectal Cancer Alliance)によると、5年間の生存率は上昇しており、米国に住む大腸がん患者は現在100万人であるといいます。

それにも関わらず、大腸がんは男女共にがんによる死亡の3番目に多い原因となっています。
アメリカ人の20人に1人が罹患するこの疾患を抑制するためには、安全な検査方法と予防法を見つけることが非常に大切です。

<最新の推奨事項>
古い検査ガイドラインでは、個人の大腸がんリスクに関わらず、50歳以上の人に検査を推奨する以外のことは推奨されていませんでした。
50歳以上の人が今後15年間で大腸がんを発症するリスクは、1~2%です。
これは、この期間に大腸がんを発症する100人中1~2人の患者が放置されるということです。

患者と医者、専門家で構成される22人のパネルメンバーは、GRADEスコアを用いた新しい大腸がん検査に関する推奨事項を紹介しました。
医師にこの分野の最新情報を提供するため、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)は最新のエビデンスに基づいた迅速な解決策を提供するリソース「Rapid Recommendations(迅速な推奨事項)」を作成しました。

新しいガイドラインでは年齢制限は15年間の寿命が残っている50歳から79歳の範囲とました。
しかし、大腸がん発症リスクが3%未満の人に、検査は推奨されていません。
検査は、今後15年の間に大腸がん発症リスクが3%以上ある人にのみ推奨されます。

個人の好みや医師の意見に応じて、1年に1回の糞便免疫化学検査(FIT)、2年に1回のFIT、S状結腸鏡検査を1回もしくは大腸内視鏡検査を1回など、4種類のスクリーニングを実施できます。
パネルは特定の選択肢を推奨しておらず、選択は個人の目標や価値観に基づいた判断にゆだねられています。

個々人の好みは様々です。出来る限りの予防検査を行い、大腸内視鏡を受けることを希望する人もいますが、それほど侵襲的でない検便を好む人もいます。

<大腸内視鏡検査の欠点>
大腸内視鏡検査を定期的に行うことには、いくつかのリスクが存在します。
がんを防ぐ目的で行う検査であるにも関わらず、逆効果となる可能性があるのです。
例として、とある研究によると、検査によって診断できない大腸がんのリスクは17%であるといいます。
検査には副作用も伴います。
胃腸壁の一つに小さな穴ができる、腸穿孔と呼ばれる症状が起こることがあります。

処置の際、患者が麻酔を受けた状態で大腸を持ち上げる必要があるため、問題が起こります。
また、大腸内視鏡検査の前には絶食や下剤の服用により腸をきれいにする必要があり、腸内微生物叢を乱す可能性があります。

出典: 2019年10月22日更新 Medical Daily『Colonoscopy Pros And Cons: Is It Worth The Risk?』(2019年10月24日に利用)
https://www.medicaldaily.com/colonoscopy-pros-cons-worth-risk-444727