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JapanRx / 併用療法が心臓発作や脳卒中のリスクを半減する

併用療法が心臓発作や脳卒中のリスクを半減する

ハミルトンの研究者が主導する国際的な研究によると、アスピリン、スタチン、そして、固定用量で投与される少なくとも2つの降圧薬による併用療法は、致命的な心血管疾患(CVD)のリスクを半分以上減らすことができるようです。

それまでにCVDの既往歴がなかった18,000人以上の患者の複合分析において、アスピリンの投与のあるなしの両方にて、対照群との比較による固定用量併用療法(FDC)について調査が行われました。

アスピリンを含むFDCは、心臓発作のリスクを53%、脳卒中を51%、心血管系の原因による死亡を49%減らしました。

この結果に心臓血管研究においての国際的な第一人者たちは大変喜びました。

世界中では約1,900万人がCVDで死亡し、毎年その2倍の人が心臓発作や脳卒中を起こしています。

心血管系の発作の約80%は、そういった病気の既往歴のない人で発生します。

つまり、世界の心臓発作、脳卒中、および関連する死亡の大部分を予防する場合、CVDのない人々への投薬を含めた効果的な予防が不可欠であると研究著者らは述べています。

マクマスター大学の准教授であり、人口健康研究所の研究者、そして、ハミルトン健康科学(Hamilton Health Sciences)の心臓専門医である主執筆者のフィリップ・ジョセフ氏は、次のように述べています。

「この配合薬は、別々、もしくは、配合薬(ポリピル(Polypill))として投与され、致命的なものも含めた心血管疾患(CVD)の発作を大幅に削減します。」

「降圧薬、スタチン、アスピリンを組み合わせた治療で最大の効果が見られ、致命的および非致命的な心血管疾患の発作を約半分に減らすことができます。」

「血圧値、コレステロール値および、糖尿病の有無にかかわらず、効果は一貫していますが、高齢者ではより大きな効果が期待できます。」

ジョセフ氏は、マクマスター大学の人口健康研究所(PHRI)とハミルトン健康科学によるメタ分析研究の筆頭著者です。

この研究には13か国からの研究員が参加し、世界中の全大陸居住可能地域26か国からの参加者が参加しました。

この研究は本日、医学誌ランセット(The Lancet)で発表され、それと同時に、ジョセフ氏により欧州心臓病学会で発表されました。

研究者によって試行されたFDC治療法は、以前はCVDの発作を大幅に減らすと考えられていました。そして、単一錠剤の処方で使用される場合は「ポリピル」と呼ばれていますが、その効果についてはこの2年間証明がされていませんでした。

複合剤という概念は、心血管疾患の患者、および、これまでに心臓発作や脳卒中を起こしたことがある人での削減を目指し、ちょうど20年前に最初に提案されました。



初期の試験では、単剤、通常のケア、またはプラセボの使用と比較して、患者の治療レジメンでのアドヒアランスが改善され、ポリピルによる危険因子の制御が改善されたことが示されました。

「これらの結果は大きな影響があり、その幅広い使用により、脳卒中、心臓発作、またはこれらにより亡くなると予想される500万から1,000万人を毎年救うことができます。」

とジョセフ氏は述べています。

「私は、世界中で心血管疾患が65%または70%低下し、さらに大きな利益につながる、より強力なポリピルの開発が期待しています。」

「ポリピルのすべての成分が一般薬でありまた、低コストであることを考えると、ポリピルは適度なコストで人々に提供することができ、非常に費用効果が高い可能性があります。」

研究者は、約5年間追跡された合計18,000人に関する3つの大規模な研究からのデータを組み合わせることから彼らの発見を収集しました。

これらには、国際ポリキャップ研究3TIPS-3)、心臓転帰予防評価研究3HOPE-3)、およびポリルラン試験(the PolyIran trial )があります。

他の国際的な専門家や組織は、研究結果を賞賛しました。



「世界心臓連盟(WHF)は、先進国と発展途上国の両方で、世界中のCVDによる負担を軽減することにより、すべての人の心血管の健康を促進することに取り組んでいます。」

WHFの会長であるファウスト・ピント教授は述べています。

CVDを約50%削減するために固定用量の組み合わせを使用する低コストの選択肢による効果の証明は並外れており、世界的にこの疾患対策を行うための絶好の機会となることで人々の生活に大きな影響を与える可能性があります。

WHFはこの10年間、ポリピルの使用を支持してきましたが、これらの結果は、私たちの戦略を強化するための確固たる証拠となるでしょう。」

医学研究支援を行うイギリスの公益信託団体『ウェルカムトラスト』の所長であるジェレミー・ファラー卿は、次のように述べています。

「ウェルカムトラストは、分析に含まれる3つの主要な研究のうちの1つ、WHO(世界保健機関)により招集され20018月にロンドンで取り決められた推奨事項に基づく解析をサポートしました。
ウェルカムトラストは、心血管疾患を含む一般的な疾患に対して、低コストで広く使用が可能な薬剤の評価に取り組んでいます。
私たちが、降圧薬、スタチン薬、アスピリンを含んだポリピルまたはこれらの固定用量の組み合わせがCVDを大幅に減少させることができることを示す確固たる証拠の開発に貢献できたことを大変嬉しく思います。」



【以下のリンクより引用】

Combo therapy cuts risk of heart attacks and strokes in half

Medical Xpress

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