電話: (050) 5534-5772

平日09:30~18:30(日本時間)

JapanRx / プレバイオティクスとプロバイオティクス: 健康への影響とその作用メカニズム

プレバイオティクスとプロバイオティクス: 健康への影響とその作用メカニズム

人間の健康と幸福を改善する方法としてのプロバイオティクスとプレバイオティクスの有効性に関する報道が非常に多いため、現場で起こっている  すべてのことを把握するのは困難です。

この分野で世界をリードする5人の科学者が執筆した最近のナラティブレビューでは、宿主である人の健康と将来の目標に貢献するメカニズムを   含め、プレバイオティクスとプロバイオティクスの臨床応用と使用をまとめています。

食事と健康への影響といった観点から、プレバイオティクスとプロバイオティクスは、腸内細菌叢を標的としたツールとして最もよく研​​究されています。

ラクトバチルス、ビフィドバクテリウム、およびサッカロミセスの菌株は、プロバイオティクスとして安全かつ効果的に長い間使用されてきたという歴史があります。

そして、小児および成人集団におけるプロバイオティクスを用いた治療のメリット、以下の疾患で確認することができます。

  • 壊死性腸炎
  • 乳児疝痛
  • 新生児敗血症
  • ヘリコバクターピロリ感染
  • 頻繁な排便と腹部不快感
  • 軽度から中等度の潰瘍性大腸炎
  • 過敏性腸症候群
  • 抗生物質に関連した下痢
  • 急性の下痢
  • ディフィシル菌に関連した下痢

 

これらの状態に対するプロバイオティクスでの予防および治療効果は、腸内微生物叢の組成またはその機能を変化させることで媒介することが   できます。

これは、抗菌剤の生産と栄養共生、そして他の共生微生物の基質形質により行われる、プロバイオティクス微生物が作用する最も広く研究されている手段の1つです。

他のプロバイオティクスの作用メカニズムも妥当なものであり、宿主細胞(例:免疫系の調節および腸バリアの完全性の改善)、コロニー形成抵抗、  そして酵素および神経化学物質の形成との相互作用が含まれています。

実際、プロバイオティクスは、常在微生物叢への直接的な影響に必ずしも関係しない広範なメカニズムを通じて作用する可能性があります。

これは、プロバイオティクスが人間の消化管に定着しない場合でも、それが効果がないという意味ではありません。

では、将来はどうなるのでしょうか?

新しく構築された組換え株や、ローズブリア、アッカーマンシア、プロピオニバクテリウム、およびフェカリバクテリウムなどの次世代プロバイオティクス などが候補となる可能性があります。

プレバイオティクスについては、ホスト微生物によって選択的に利用され、健康上の利点をもたらす基質として定義されていますが、グルカンと     フルクタンの両方が健康に良いことが示されています。

それにもかかわらず、プレバイオティクス介入による効果は、プロバイオティクスについて報告されているものよりも弱いようです。

最も綿密に研究された2つのプレバイオティクスの適応には、粉ミルクが投与された場合での、それを与えられた乳児の感染に対する保護、       そして健康な成人の腸機能の改善などがあります。

プレバイオティクスが健康上の利点をもたらす可能性のある作用メカニズムは、インビトロ、および動物モデルでテストされており、病原体に対する  防御、免疫調節、ミネラル吸収の増加、腸機能の改善、代謝効果および満腹感への影響などがあります。

ポリフェノールや多価不飽和脂肪酸などの他の基質は、プレバイオティクス効果を発揮する可能性があるため、将来の可能性を示しています。

プレバイオティクス適用による有望な効果では、満腹感の増加、エネルギー摂取量と体脂肪量の減少、食後の血糖反応の改善などがあります。

加えて、著者は、口腔、膣管、皮膚など、腸に由来する効果以外でのプレバイオティクスとプロバイオティクスの用途に言及しています。

そして、イヌリン型フルクタンが豊富な野菜を摂取することは、健康な成人の満腹感の増加や甘い食べ物、塩辛い食べ物への渇望を減らす      効果もあります。

著者からの重要なメッセージは、医療従事者と消費者によるプレバイオティクスとプレバイオティクスの使用は、できればランダム化試験からの    エビデンスに基づいて行われるべきだということです。

すべての製品が検証されているわけではなく、腸内細菌叢の違いは、その変化が健康の改善につながることではないので信頼できる研究によって 裏付けられた証拠とともに、臨床応用と使用に関する最新情報を維持することが重要です。

さらに、著者らは、この分野の研究は、従来のプロバイオティクスから、癒着防止分子などの新しいターゲット、そして、酪酸菌などプロバイオティクスとして現在使用されていない有益な腸内細菌に移行する必要があることを強調しています。

ハイスループットシーケンシング技術は使用が増加し、広く使用されていますが、トランスクリプトーム、メタボロミクス、およびプロテオーム解析によって評価されるマイクロバイオームの全体的な機能的な可能性を考慮すると、健康の改善のために腸内微生物叢をターゲットとする臨床的な役割に   ついても最適に考慮されるでしょう。

 

【以下のウェブサイトより引用】

An overview of prebiotics and probiotics’ effects on health and their mechanisms of action

GUT MICROBIOTA FOR HEALTH