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JapanRx / ステロイドは変形性関節症に効果的か?

ステロイドは変形性関節症に効果的か?

米国では、3000万人以上の成人が変形性関節症を患っています。
これは通常手や腰、膝に発症する、最も一般的な形態の関節炎です。

変形性関節症は、体の機能低下や、身体障害を引き起こすことがあります。
一部の人は、体の特定部分の痛みや強張り、腫れによって、日常業務や仕事を行うことができなくなることもあります。

ステロイド注射は、広く使用される変形性関節症治療法の一つです。
この注射を受けると、数週間から数カ月間、関節の炎症を和らげることができます。

しかし新しい研究では、治療が体に及ぼす実際の影響について懸念が示されています。
研究者は、変形性関節症用の関節注射は症状を悪化させ、骨折リスクを上げ、患者の骨損傷リスクを高める可能性があることを発見しました。

とある研究では、定期的にステロイド注射を受ける人は関節炎の進行が早い、もしくは「予想を超えた早さで進行」しました。
また一部の患者からは、血糖値や関節内への出血、感染が一時的に増加したことが報告されました。

ベス・イスラエル・メディカルセンターでリウマチ科の準医師兼臨床チーフを務めるロバート・シュメルリング氏は、ハーバード健康ブログに投稿された記事の中で、次のように述べています。
「膝や股関節の変形性関節症治療に使われるステロイド注射に関するこの報告書は、特に他の治療で改善が見られなかった患者にとって、残念な結果を示しています。」

研究者は、ステロイド注射を受ける前に、医師がレントゲンを実施することを提案しています。
シュメルリング氏は、潜在的なリスクとベネフィットを確認するための検査を受けた患者にのみ、この変形性関節症治療法を提供し続けるつもりだと述べました。

「注射の効果については、平均的な治療効果がわずかであっても、治療が役に立たない訳ではないことを心に留めておくことが重要です。」と、彼は付け加えています。
「一時的ではありますが、ステロイド注射で大幅な改善を示す人もいます。」

一点重要なのは、この研究にはいくつかの制限があったことです。
研究者は、ステロイド注射がどのようにして変形性関節症患者の問題を引き起こすのかを特定していません。

シュメルリング氏は、ステロイドの効果に関する調査が続く間は、注射は改善が見られた患者にのみ使用し、医療専門家はステロイド注射を排除するのではなく減らすべきであると提案しています。

また彼は、ステロイド注射で深刻な副作用が起こる症例は現状稀であると付け加えました。
今後の研究では、変形性関節症治療の利点とリスクに関する理解を深めるため、注射の種類や投与量、使用頻度に焦点を当てる必要があります。

出典 2019年12月24日更新Medical Daily『Are Steroids Really Effective Against Osteoarthritis?』(2019年12月27日に利用)
https://www.medicaldaily.com/are-steroids-really-effective-against-osteoarthritis-447479