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アジレクト(ラサギリン)の作用秩序、臨床結果

アジレクト(ラサギリン)はテバ製薬によって開発された、パーキンソン病の症状を治療するための承認された治療薬です。


- アジレクトの作用秩序
パーキンソン病は、ドーパミン(脳細胞間で信号を送る化学伝達物質)を産生する脳内の神経細胞がゆっくりと死滅する神経変性疾患です。
ドーパミンは、身体の動きを調整するための信号送信において不可欠です。
濃度が下がると身体の動きに対する制御が徐々に失われる他、その他のさまざまな症状をもたらします。

アジレクトはモノアミン酸化酵素B(MAOB)阻害薬であり、脳内のドーパミン値を上昇させるように作用します。
MAOBは、ドーパミン値が上がりすぎないよう、通常ドーパミンを分解する酵素(化学反応を引き起こす触媒)です。
アジレクトこの酵素の働きを止めることで、パーキンソン患者の体内にある少量のドーパミンを、より長く留めることを可能にします。
これによりいくつかのドーパミン伝達が回復し、運動症状を軽減することができます。

アジレクトは、レボドパ治療と併せて処方されるケースが多くなっています。
レボドパは脳内でドーパミンに変換される化学物質です。
アジレクトはこのドーパミンが分解されるのを防ぎ、レボドパ治療の有効期間を延長します。
また、レボドパ薬の次の服用までの間に症状が戻りし始める「オフ」期間を減少させます。


- 臨床試験におけるアジレクト
アジレクトは、2006年5月17日に米国食品医薬品局(FDA)より、パーキンソン病治療薬として全面的な承認を受けました。
その後FDAは2009年12月14日、テバ製薬によって行われた臨床試験に基づき、アジレクトの処方情報のチラミンの摂取制限の項目を削除、修正しました。
元々アジレクトの承認は、主に4つの臨床試験に基づいたものでした。

最初の研究(NCT00203060)では、1mgまたは2mgのアジレクト治療を実施した患者が、
パーキンソン病統一スケール(UPDRS)を用いたプラセボと比較して有意な改善を示したことで、アジレクトはパーキンソン病の唯一の治療法として評価されました。
UPDRSは、パーキンソン病の運動症状および非運動症状が日常の活動、患者の全体的な運動能力、
および薬物の使用に関連する合併症の有無にどのように影響するかを評価します。1mgと2mgの間に差異はみられませんでした。
この試験では、アジレクトを服用するとUPDRSスコアが改善され、患者がレボドパ服用間の「オフ」時間を1時間以上短縮できることが実証されました。

他の3つの試験において、アジレクトはレボドパ治療の補助療法として評価されました。
これらの研究の被験者は、レボドパ服用と併せて、アジレクまたはプラセボ服用のいずれかのグループに無作為に割り振られました。

アジレクトは、承認後も臨床試験でのテストが続けています。
テバ製薬は、1174人の被験者を対象に大規模なADAGIO試験(NCT00256204)を実施しました。
この研究結果は、2009年に科学雑誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンにて、2011年にランセット神経学にて掲載されました。
この研究では、早期パーキンソン病患者アジレクト1mgを処方することでレボドパなどの治療開始を遅らせ、病気の進行方法を変更できる可能性を示しました。
しかしこれを結論付けるには、病気の進行に関する更なる理解が必要です。


- その他の情報
アジレクト服用患者が経験する最も一般的な副作用には、ジスキネジア(不随意運動)があります。

Parkinson's News Today
https://parkinsonsnewstoday.com/approved-treatments/azilect-rasagiline/