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JapanRx / WHO、精神神経疾患の薬物使用状態の治療に関する新規および最新の推奨事項を発行

WHO、精神神経疾患の薬物使用状態の治療に関する新規および最新の推奨事項を発行

世界保健機関(WHO)は本日、精神障害、神経障害、物質使用障害(NMS)の治療とケアに関する重要な新規および最新の推奨事項が記された『メンタルヘルス・ギャップ・アクション・プログラム(the Mental Health Gap Action Programme, mhGAP)』ガイドラインの第3版を発表しました。

MNS 障害は、世界のあらゆる地域で罹患率と早期死亡率の主な原因となっています。

しかしMNS 障害がある人の75% 以上が、必要な治療やケアを受けることができないと推定されています。

mhGAP ガイドラインは、各国がこれらの病気により増大する負担に対処する能力を強化することを支援しています。

これは、医師、看護師、一次医療レベルの非専門的な環境で働くその他の医療従事者、さらには医療プランナーや管理者による使用を目的としています。

「15年間にわたり、mhGAPは、精神障害、神経障害、物質使用障害を持つ人々の治療とケアのため、科学的根拠に基づいた心理的介入や医薬品入手環境を改善する上で重要な役割を果たしてきました。

メンタルヘルス関連疾患が増えていることを考慮すると、この科学的根拠に基づいたガイドは、プライマリーケアを行う医療機関がMNS障害がある人々の治療を支援する上でこれまで以上に重要になっています。」

とWHOの精神保健・薬物使用担当ディレクターのデボラ・ケステル氏は述べました。

2023 年のガイドライン更新には、90 件の既存の推奨事項に加えて、MNSに関連する 30件の更新された推奨事項と 18件 の新しい推奨事項が含まれています。

 

不安障害に関連した新しい推奨事項

このガイドラインには、世界で最も一般的な精神障害の一つである不安障害の患者数の増加を反映して、不安に関する新しいモジュールが含まれています。

このモジュールには次の推奨事項が含まれています。

  • 認知行動療法(CBTに基づく心理的介入は、全般性不安障害および(または)パニック障害がある人に提供されるべきです。

これらの介入は、オンライン、対面、グループ、セルフガイドなど、さまざまな形で提供できます。

  • 全般性不安症やパニック障害のある成人ではストレス管理手法を考慮する必要があります。
  • 全般性不安症および(または) パニック障害のある成人への治療には、選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (SSRI) の使用を考慮する必要があります。

 

心理的および心理社会的介入

このガイドラインでは、さまざまな MNSの状態に対する心理的治療の継続的な重要性が示されています。

mhGAP ガイドラインには、精神疾患または双極性障害がある人の介護者に対する心理社会的介入に関する新しい推奨事項、また、精神疾患、アルコール依存症、薬物使用、認知症、自閉症、ADHD、脳性麻痺を含めた神経発達障害のある児童、および青少年に対する心理社会的介入に関する新しい推奨事項が含まれています。

 

妊娠を希望している、または妊娠の可能性がある女性は、バルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)を使用すべきではありません。

このガイドラインには、てんかんと双極性障害の治療薬であるバルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)を妊娠中に摂取すると先天性欠損症のリスクがあるため、使用しないよう勧告する最新の推奨事項が含まれています。

ガイドラインでは次のことを推奨しています。

  • バルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)は、子宮内でバルプロ酸に曝露された子供の先天性欠損症や発達障害のリスクが高いため、妊娠を希望している、または妊娠の可能性がある女性には処方されるべきではありません。
  • 現在バルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)を処方されている女性には、効果的な避妊法の使用についてアドバイスを提供する必要があります。
  • 重要なこととして、既にバルプロ酸を使用している女性は、医師に相談せずにバルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)の摂取をやめてはいけません。
  • 女性は妊活を始めたらすぐに医師に相談すること。また妊娠した場合は、緊急に医師に相談する必要があることをアドバイスする必要があります。

 妊娠前に適切な代替治療薬に切り替えるよう強く努めて下さい。

専門医は、バルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)がその人にとって最適な治療法であるかどうかを定期的に検討する必要があります。

このガイドラインは、妊娠の可能性のある女性(および女児)のてんかんおよび双極性障害の治療におけるバルプロ酸(バルプロ酸ナトリウム)の使用に関する、2023年5月に発行されたWHOの安全性声明を反映しています。

これは、WHO 医薬品安全性諮問委員会 (ACSoMP) の会合で議論が行われました(2022 年 12 月の ACSoMP 推奨事項より)。

安全性に関する声明も必須医薬品リスト (the Essential Medicines List , EML) に追加されました。

 

その他の推奨事項:

  • デジタル配信による心理的および心理社会的介入は、アルコール使用障害や不安、ストレスに関連した障害、薬物使用障害、自傷行為や自殺といった、複数のモジュールに渡り機能します。
  • 認知症患者の転帰を改善するための非薬理学的介入についての推奨事項が更新され、運動(身体活動)、CBT、認知刺激療法、認知トレーニングが新たに含まれました。
  • 精神疾患および双極性障害の治療には、抗精神病薬のクエチアピン、アリピプラゾール、オランザピン、パリペリドン、および長時間作用性抗精神病薬のハロペリドールおよびズクロペンチキソールが含まれます。

レベチラセタムとラモトリギンはてんかんの治療薬として含まれます。

 

【以下のリンクより引用】

WHO issues new and updated recommendations on treatment of mental, neurological and substance use conditions

世界保健機関(WHO)

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