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PCOS患者の妊娠:減量外科手術が役立つ場合

子供が欲しいと考える時、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断を受けることは、大きな打撃となるかもしれません。
しかし、減量外科手術がPCOSの治療に役立ち、これにより妊娠率も高まる可能性があります。

「肥満の患者は、体外受精(IVF)から初めて時間や労力、感情、お金を全て費やす代わりに、減量と不妊治療のツールとして減量外科手術を検量する必要があります。」と、減量外科医のジェシー・グトニック医師は述べています。
「減量外科手術を行うと、生殖機能が大幅に改善します。」

グトニック医師は、同手術の対象となる人、および手術に期待できることを以下に説明しています。


<PCOSと肥満および生殖能力との関係>

PCOSはホルモン障害であり、20〜35歳の女性の不妊症の主な原因です。
肥満とPCOSは通常、互いに関連しています。
「肥満患者にはインスリン抵抗性があります。これは体中あらゆる形で表れます。」と、グトニック医師は説明しています。
「膵臓では、糖尿病として現れます。肝臓では、脂肪肝疾患を発症します。卵巣では、PCOSを発症します。患者は若い年齢でPCOSを発症することもあり、その結果、後に肥満になります。」

しかし、体重が減ると、インスリン抵抗性が減少し、これらの疾患すべてが一気に改善されます。
このことが生殖能力に与える影響は想像できるでしょう。
とある研究では、減量外科手術により以下が軽減しました:

  •     卵巣のサイズ(PCOSは卵巣を肥大させます)
  •     不規則な月経周期
  •     体重およびボディマス指数(BMI)


<妊娠するために減量外科手術を受けるべきPCOS患者とは?>

医師は、BMIが40以上の女性に対して減量外科手術を推奨しています。
BMIが35から40で、糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸などの関連疾患を患っている女性にもメリットがあります。

最良の減量外科手術の種類は、自身の健康状態の評価と、今後の目標によります。
グトニック医師は、PCOSの場合、手術の種類よりも、健康的なライフスタイルの変化による減量の成功が重要であると指摘しています。

「患者が重度の肥満である場合、通常、体重を減らすことは困難です。患者が体重を減らすことがでできても、減量後の体重を維持することは非常に困難です。」とグトニック医師は言います。
 「体重を減らすために必要なライフスタイルの変更を支援し、減量効果を高めるための薬を処方することはできますが、最善の努力を尽くしても十分ではない場合があります。このような場合、大がかりで有意義な減量を行う唯一の方法は、通常、減量外科手術を受けることとなります。」


<減量外科手術後の生殖能力:予想されること>

PCOS治療として減量外科手術を行う場合は、以下の点に注意してください。

妊娠への準備を整える:
手術後の最初の18か月間は、信頼できる避妊方法を使用する必要があります。
「最初の18か月間は、活発に減量が起こる時期です」と、グトニック医師は語ります。
「この時期は、胎児を育てるのに最適な環境ではありません。早産や低出生体重児が生まれるリスクも、わずかながらあります。」

薬の服用計画:
手術後、特定のサプリメントとビタミンを摂取する必要があります。
妊娠したら、さらに多くのサプリメントを服用する必要があるかもしれません。
「私たちは6か月ごとに血液検査を行い、栄養価が許容範囲内にあることを確認しています。」

実際の妊娠に備える:
妊活開始のタイミングについては医師のアドバイスに従う必要がありますが、妊活を始めれば、妊娠率は前よりも上昇していることでしょう。

出典 2020年8月26日更新 Health essentials『Getting Pregnant with PCOS: When Bariatric Surgery Can Help』(2020年8月27日に利用)
https://health.clevelandclinic.org/getting-pregnant-with-pcos-when-bariatric-surgery-can-help/